節税とムダ金の線引き
当サイトでも色々節税情報を出しておきながらこう言うのも何ですが、節税とムダ金は明確に線引きをしておかねばなりません。
合同会社(法人)は確かに利用出来る節税方法がたくさんありますが「合理的で有効な節税」なのか「単なる無駄遣い」なのかを経営者は正しく判断しないといけないということです。(脱全は論外)
節税しようと思うと、売上を減らすか、経費を増やすしか方法はないわけですが、好き好んで売上を減らす経営者はいないでしょう。(無理に売上を減らそうとすれば、顧客離れや競争力の低下につながります。売上除外や計上時期の後送りは脱税になります。)
つまり、実質的には節税しようと思ったら経費を増やすしかないのです。
そこで今回のタイトルなんですが、経費を増やすしか節税方法がないからと言って、ムダ金をジャンジャン使っていると税金は減りますが利益(手元キャッシュ)も減ります。
そうなっては事業経営に支障をきたす可能性もグンとアップしてしまうわけです。
私自身も経営者ですので節税は行いますがムダ金は使いません。ムダかどうかは、その経費(投資)が生き金か死に金かの違いです。
単なる浪費ではなく投資と思えるようなお金の使い方を心がけたいものです。
私自身は下記のような点を重視して、投資と節税をバランスよく考えるようにしています。
- 将来の売上を作る為の投資
- 従業員の福利厚生・モチベーションを上げる為の経費
- 顧客サービスを向上する為の経費(顧客満足度アップ=売上向上に繋がる)
- 常識範囲内の役員・自分自身へのご褒美(モチベーションアップ)
特に4つ目はバランス感覚を失うと大変なことになってしまいます(笑)。
節税の中にはお金の出て行かない節税方法もいくつかありますが、根本的に持っていないといけないのはこの節税と無駄遣い、生き金か死に金の線引きとバランス感覚だと思います。
そこそこの規模の事業であれば、その気になれば、合法的に認められた範囲内で限りなく利益をゼロにコントロールすることだって可能と言えば可能でしょうが、そのようなことをやっていると事業継続は難しいです。(成長がありませんので)
そして事業規模や利益額が大きくなってくると、もはや節税しようと思っても多額の税金は免れないことになる局面もきっと出て来る事でしょう。
事業家としては、最終的にはそのレベルを目指したいものですよね。(とは言っても、納税の時期になるとやはり辛い気持ちもないわけではないのですが・・・・私自身も前期は法人だけで3,000万円程度の納税をしたのですが、世の中にはもっと遥かに多額の納税をしている事業家も星の数ほどいるんだと思って自分を納得させました。)
「税金に持って行かれるくらいなら・・・・」とはついつい思ってしまうものですが、ムダ遣いで事業が傾いて次第に利益が先細って最悪倒産なんてことになってしまっては本末転倒ですから、過剰な節税(無駄遣い)に走り過ぎないよう注意しましょう。
何があるかわからない世の中、外部環境の変動を避けられない事業経営なんですから、利益(内部留保)なくしての事業継続は無謀です。(経営者は法人でも個人でも必ず資金ストックを作っておかねばなりません。)
利益が出れば税金は発生しますし、納税なくして内部留保は出来ないわけですからある程度の納税覚悟は必要だと認識しましょう。