本店所在地(会社住所)
会社の住所はその本店の所在地となります。
本店の所在地については特に制限はありませんが、郵便物が受け取れる場所であることが必須条件です(これは銀行の法人口座開設という観点で見ても必須となる条件です)。
状況に合わせてご自宅を本店所在地とすることも可能です。
ただし、賃貸の物件を本店所在地にする場合はトラブルを避ける為にも、事前に管理会社や所有者などに事業用途としての使用が可能か確認したほうが良いでしょう。
許認可などで制限がある場合もありますので、その点も注意が必要です。私は労働者派遣事業と職業紹介業をやっていますが、20㎡以上のスペースがなければ許可はおりません。
代表社員の住所と本店所在地が離れていても登記上は問題はありませんが、上記のように郵便物を受け取れないのでは何かと問題がありますし、税務や労務も本店を管轄するところで手続きをすることになりますのでその点はご注意ください。
*平成25年4月1日の犯罪収益移転防止法の改正に伴い、金融機関による取引時の確認が厳格化し、以降、バーチャルオフィスを本店所在地にした場合の法人口座開設が難しくなっているようです。
合同会社の本店所在地(登記上の記載)
ハイフン表示ではなく正式な住所を明記します。
例)
× ●県xx市△1-2-3
○ ●県xx市△1丁目2番3号
ビルやアパート、マンション名、部屋番号までは入れても良いですし、入れずに登記しても問題ありません。
例)
○ ●県xx市△1丁目2番3号■ビル302号
○ ●県xx市△1丁目2番3号■ビル
○ ●県xx市△1丁目2番3号
合同会社の本店所在地(定款上の記載)
会社の本店所在地は、定款においては最小行政区(市区町村)まで決めておけば良いとされています。
例えば、「当会社は、本店を東京都○○区に置く。」とだけ定款で定め、本店所在地決定書(或いは他の議事録)にて最後の所在地まで決めることも可能です。
本店所在地を最後まで決めておくと、本店移転の際に必ず「定款変更手続き」が必要になりますが、最小行政区で留めておけば、その最小行政区域内での本店移転に関しては定款変更の手続きが不要というメリットがあります。
例を挙げますと、「当会社は、本店を東京都渋谷区に置く。」と定款で本店所在地を定めた場合、本店所在地が東京都渋谷区1-2-3から、東京都渋谷区3-4-5に移転したとしても、会社住所は「東京都渋谷区」のままですよね?この場合、定款変更は不要と言うことになります。(ただし、本店移転の変更登記はいずれにしても必要になります。)
本店所在地はバーチャルオフィスやレンタルオフィスでも登記できるの?
手続き上はバーチャルオフィスやレンタルオフィスでも全く問題ありません。
- バーチャルオフィス・・・物理的なオフィスを持たず、登記上の住所だけ貸す私書箱的サービス。
- レンタルオフィス・・・ビル内の一室をレンタルし、ロビーや会議室などの共有スペースをいくつかの会社と共有。
昨今はレンタルオフィス業界も競争が激しいので、登記できないなんてことはまずありません。
自前でオフィスを契約する場合に比べて何が良いのでしょうか?
- 毎月の賃料が圧倒的に安い
- 多額の敷金・保証金が不要(少額の入会金のみ)
- 数ヶ月のフリーレントが付く場合が多い
- 退去は1ヶ月前告知で良い
- 原状回復費用が不要
主なメリットは上記が挙げられるでしょう。
入居の際に多額の費用が必要ないので、小規模事業者にとってはありがたいですよね。それでいて施設も非常に綺麗。
また、退去の際1ヶ月前告知OKは大きいです。
通常の契約では6ヶ月前告知ですので、退去予定の随分前から告知しないといけないですし、「良いオフィスが見つかったから来月急遽出たい」といった場合には、6ヶ月分の賃料を支払わなければなりません。
また、原状回復費用も契約内容やオフィス規模、業種によっては多額になりますので、大きな負担となります。
入る時は良くても出る時に困る・・・・そんな事業者は多数いるのです。
バーチャルオフィスの一例
ちなみに、私自身は池袋のダイヤゲート内のリージャスを利用しています。
上記は実際の請求書ですが、大体2人用の小さな部屋を5人のメンバーで借りて16万円弱/月ですね。(共益費が1人7,000円*5名分です。)
安さもさることながら、家賃をクレジットカード払いできるのもありがたい。
2019年竣工の新しいビルで、外観や門構えが違います。
お客様からも「凄いところに引っ越しましたね・・・」と言われます。(実は前の事務所家賃より60万円も安いのですが・・・)
やはり印象は大事ですね。受付嬢がいるのも好印象なよう。
毎週月曜日はフリーブレックファーストとしてパンが出たり、プレミアムフライデーは15時からビールやおつまみが出ます(笑)
バレンタインデーはチョコレートとワインが振舞われました。
お水やお茶はもちろん、豆から挽くコーヒーマシンもあり、しかも月替わりで豆も変えてくれるというサービスの良さ!
ちなみにウチのスタッフには味噌汁が好評です(笑)
同じテナントには一般企業だけでなく、法律事務所や税理士事務所も入っています。
これからの新たな働き方、オフィスのあり方としてレンタルオフィスの活用も十分アリと言えるでしょう。