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中小企業が実際に使えそうな助成金

助成金は融資と違って返済不要のもらえるお金です。

助成金の財源は、毎月企業や雇用主が負担している雇用保険ですので、雇用保険を毎月支払っていて、その条件に該当する企業であれば利用できます。

助成金申請のタイミング

助成金は毎年4月のタイミングで国が定めていろいろなプランが出てきます。

国の財源と予算を前提で動いているため、たくさんの助成金申請と支給があって、予算がなくなったら、そこで打ち止めとなります。

国も予算を見ながらでの助成金運営のため、9月ごろに「予算がまだたくさん残っているぞ!」という事で、”おいしい助成金”がパッと出て、応募が殺到、早い者勝ちというケースも結構あります。

常日頃からアンテナを立てておくことが重要ですし、ご自身でカバーできないなら助成金に強い顧問社労士をつけておくべきでしょう。

中小企業で実際に使えそうな助成金は?

正直、助成金は数が多すぎてこれを専門に扱っている社労士でもない限り到底把握しきれません。

実際に中小企業でも使えそうな助成金をピックアップしてみます。

  1. キャリアアップ助成金
  2. 奥さんが赤ちゃんを産んだ後(産後)にその旦那さん(男性)が育児休暇を取るともらえる支援金
  3. 女性が育児休暇を終えて復職する際にもらえる支援金

※1のキャリアップ助成金は5年間有効ですが、2や3は予算がなくなったら打ち止めになったり、国の方針で減額があったり、条件が厳しくなったり、制度がなくなるという事も0ではありません。(そのため、準備をしていても準備損になる可能性もアリ。内容が変わっている可能性もあるので必ず専門家に最新情報は確認してください。)

助成金の用途

  • 助成金は、使途が自由で制限なし
  • 何に使ってもOK(経費のようなレシートも不要で、労働局などの使途報告なども不要)
  • 他企業では役員が臨時報酬として徴収したり、賞与に使ったりしているそう

1.キャリアアップ助成金

有期雇用→無期雇用へ

  • キャリアアップ助成金は「有期雇用だったフルタイム(パートタイム)の人が、無期雇用へ変わった場合に貰える」
  • 「有期雇用のパートから無期雇用の正社員」の場合には、「約60万貰える」
  • 「有期雇用のパートから無期のパート」の場合には、「約30万貰える」

条件

  1. まずは6ヶ月の有期雇用で雇用をしなければいけない
  2. 6ヶ月たったら、そこで無期雇用に転換する(雇用を結び直す)
  3. 無期雇用に切り替えてさらに6ヶ月たったら助成金の申請ができる
  4. 申請が通ったら60万円貰える

雇用時の注意点

  • 採用時は「有期雇用」じゃないといけない
  • 例えば、新規雇用をする際に労働条件書にサインを貰うが、その時には労働条件書に「有期雇用(6ヶ月)」と書いてある所にサインを貰わないといけない
  • その社員には「助成金のため!」とは言えないため、「この6ヶ月の働きぶりを見たいんだ」、「個人情報の管理や漏洩を防止するためにもまずは6ヶ月働いてから切り替える形を取っているんだ」、「基本的には無期雇用に切り替える事ができるから安心してね」という理由を伝えて、その人にはとりあえず有期雇用(6ヶ月)でサインを貰わないといけない

申請時の注意点

  • 申請時には労働局へ労働に関わる様々な書類を出さなければいけない
  • 具体的には労働条件通知書や同意書、就業規則、タイムカード、給与台帳、決算書類など
  • 就業規則を「キャリアアップ助成金のための文章を追加」しないといけない(就業規則変更の手間、社労士への費用発生)
  • 必ずタイムカードを出さないといけない(タイムカードの導入が必須)
  • 書類を出した際に、10時間/月の見なし残業分を超えているのにも関わらず企業がそのお金を支払っていない場合(未払い残業分=25%増しの残業代)があった場合には、それを精算してからじゃないと助成金は受け取れない。)

助成金受け取りまでの道のり

  1. まずは就業規則の改定(社労士への5万円程度の変更依頼費用がまず発生)
  2. そして、新しく作った就業規則を再度スタッフへ通知、説明してサインを貰わないといけない
  3. キャリアアップ助成金の申請に掛かる社労士さんへの報酬は30〜50万円(ただし、顧問契約をしている場合、10万円未満でやってくれたりします。また、前払いじゃなくて成果報酬で良いと言ってくれる社労士さんも多い。)
  4. 新しく社員(フルタイム、パートタイム)を雇う際には、有期雇用での条件書を作成し、同意を取り付ける
  5. その社員が有期雇用で6ヶ月働く
  6. 6ヶ月たったらその社員へ無期雇用の条件を提示し、再度同意を取り付ける
  7. 各種書類を労働局へ提出
  8. 追加書類や対応等が必要であれば随時対応
  9. 助成金の受け取り

2.奥さんが赤ちゃんを産んだ後(産後)にその旦那さん(男性)が育児休暇を取るともらえる支援金」

概要

  1. 奥さんがまず子供を出産
  2. その出産後の8週間の間に旦那さんが5日間の育児休暇を取る
  3. 57万円が支給される

※5日間のお休みは有給や無給でもOK
※育児休暇で休んでますよ!というものが出せれば助成金が出る

注意点

  • 1人目は57万ですが、2人目以降は14万円とかにガクンと費用は落ちる
  • 対象は男性社員
  • この助成金の条件はかなり緩いのは、国が「男性も育児休暇ドンドン取ってほしい!」という希望があるから。(実際は男性の育児休暇は2%程度)
  • この育児休暇の制度を利用する際にも、「就業規則の改定、タイムカードの導入は必須」

3.女性が育児休暇を終えて復職する際にもらえる支援金

概要

  • 女性の育児休暇取得率は高いため、助成金は28万円と少なめ
  • 会社や国としては職場復帰してもらいたいので、「助成金を活用してくださいね!」という形で社内への通達や案内は必須

助成金取得の流れ

  1. まずは就業規則を変える(キャリアアップの助成金、男性の育児休暇も一緒に変える場合には1回で済む)
  2. 就業規則を変える時に従業員に意見を聞く
  3. 該当者がいれば、助成金が支給される

注意点まとめ

上記3つの助成金申請で共通するのは、「就業規則、タイムカードの導入」で、さらに「事前に策定書類(こうした事をやりますよという宣言書類)も労働局へ提出」も必須という部分です。

〇:事前にあらゆる準備をしておいて、該当の条件に当てはまったら申請する→助成金が下りる

✕:該当の条件が出たので、そこから急いで準備、申請→準備をしていなければそもそも助成金の申請ができない(急に〇〇さんが妊娠したから、助成金貰おう!というのはできない)

また、この3つの助成金の利用条件に「過去1年以内に会社都合で人を辞めさせてない」というものがあるため、会社都合で退職した人がいる場合は申請できる時期が1年後になります。

助成金の申請には、「該当の項目がある」という事に加えて「現在の法律に則したものになっている」という条件もあります。

2017年の12月に育児休業の改定があったことから、その「育児休業が2年間まで取れるよ」という部分も就業規則に加えられていないと申請できません。



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