社員の退社と持分譲渡
合同会社の社員は、やむ得ない事由があるときはいつでも退社できます(任意退社)が、
そのほか、以下のように定款で定めた事由や総社員の同意、死亡などにより退社する事となります(法定退社)。
- 定款で定めた事由の発生
- 総社員の同意
- 死亡
- 合併(合併により当該法人である社員が消滅する場合に限る)
- 破産手続開始の決定
- 解散
- 後見開始の審判を受けたこと
- 除名
*ただし、5.~7.については退社しない旨を定款に定めることも可能です。
社員は必ず出資をして入社していますので退社の際にはその出資分(持分)を清算する必要があります。
持分の清算方法により、退社手続きには
- 持分の払戻しによる退社手続き
- 持分の譲渡による退社手続き
の2つの方法があります。
持分の払戻しによる退社手続き
持分の払戻しは、退社の時における持分会社の財産の状況に従って行われ、物品や建物など金銭以外のものを持分として会社に提供したような場合であっても金銭で受けることができます。
また、退社の時点で払い戻しの計算が行われていなかった場合には退社以後も払い戻しの計算をすることができます。
ただし、持分を払い戻す際に持分払戻額が剰余金額を超える場合などは債権者保護手続(公告、個別催告の費用)が必要となりますので、持分の譲渡に比べ手続きが煩雑で時間もかかります。
必要となる登記手続きと登録免許税
- 資本金額の変更登記
- 社員変更登記(退社)
変更した資本金の額の1,000分の7(3万円に満たない場合は3万円)
資本金の額が1億円以下の場合:10,000円
資本金の額が1億円を超える場合:30,000円
持分の譲渡による退社手続き
持分を別の社員に譲渡し退社する方法で、持分総数自体は変わらないので資本金の変更がありません。
持分譲渡については他の社員全員の承諾を得るかもしくは定款の定めに従う必要があります。
また、持分を会社に譲渡することはできません。
持分の譲渡による社員退社手続きの際の総社員の同意書の一例です。会社の実情に合わせて作成してください。
必要となる登記手続きと登録免許税
- 社員変更登記(退社)
資本金の額が1億円以下の場合:10,000円
資本金の額が1億円を超える場合:30,000円
お金も時間も掛からない「持分譲渡による社員の退社」がお勧め!
「代表社員の持分を既存の業務執行社員へ譲渡して退社し、既存の業務執行社員が代表社員に就任する」
上記のようなパターンをお考えの方はこちらの自分で出来る!合同会社社員退社手続きマニュアルもお勧めです。
自身で手続きをやる分、費用を最小限に抑えたい方にはお勧めです。(将来的に同じ手続きが発生しても何度でも使えます。)