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合同会社で資金調達

合同会社設立手続き自体は簡単です。ハッキリ言って、誰でも会社設立だけなら出来ますし、社長にはなれます。

しかし、資金がなければ設立した合同会社の経営はすぐに行き詰まることになります。

最初の会社設立資金に加え、運営資金も全て自己資金で賄えるならば問題ないかもしれませんが、そう言う方はむしろ少数派でしょう。

実際多くは、自己資金+借入金で開業及び運営に必要な資金を捻出します。

資金調達はどこでするの?

新規開業者が資金調達する方法は以下に大別されます。

  • 融資を受ける(間接金融)
  • 出資を受ける(直接金融)

融資を受ける(間接金融)とは?

わかりやすく言うと「借入(借金)」です。

しかし簡単に新規開業者が融資を受けられるほど、世間は甘くありません。

実際問題、新規開業者である小規模の合同会社が受けられるのは以下の2つの融資制度になります。

  • 日本政策金融公庫
  • 制度融資(信用保証協会付融資)

詳しい融資制度や手続きの流れは上記リンクからそれぞれのサイトへ飛んで確認して頂ければと思いますが、資金調達において重要になるのはやはり「自己資金」と「事業計画書」です。

上記2つの金融機関は、自己資金無しで利用出来る融資制度も用意していますが、実際には自己資金がない方の審査はほぼ通りません。

考えてみれば当然だと思いますが、

何とか100万円は自分で必死に働いて貯めて来ました。足りない残り200万円を融資してもらえないでしょうか?

と言う方と、自分では何の努力もせず、我慢や節約もせず、300万円貸してくれと言う方、どちらに融資したいと思いますか?

自己資金がない方ですと、どんなに素晴らしい事業計画書があっても融資はなかなか下りないですし、逆に自己資金を頑張って貯めた方であれば事業計画書さえしっかりと作り込めば高い確率で融資は下ります。

  • 自己資金の証明はどうするのか?
  • 事業計画書の作り方はどうすればいいのか?
  • 資金調達のノウハウを知りたい!

そんな方は、弊社のこちらの資金調達支援サイトのコンテンツを参考にして頂ければと思います。

→ 日本政策金融公庫融資支援ドットコム

この2資金調達先は、融資利率が低く、年利2〜3パーセント程度で長期で借りれます。新規開業者が必ず検討しなければならない資金調達先です。

公的融資申請においては必ず事業計画書が必要になります。弊社で販売しております実際に融資の下りた事業計画書例25も参考にして頂ければ幸いです。

出資を受ける(直接金融)とは?

合同会社も会社ですから「社債」の発行が可能です。

中でも節税メリットがあったり、社債利息の一部を区や市の自治体が負担してくれることもある「少人数私募債」が合同会社でもにわかに注目・活用されています。

少人数私募債に関しては説明すると長くなるので、弊社の少人数私募債専門サイトをご一読頂ければと思います。

→ 少人数私募債.com

お勧めはどの資金調達方法ですか?

どれが良い、悪いではなく、全手法を活用することが重要です!

日本政策金融公庫と信用保証協会付融資を併用しつつ、可能なら少人数私募債にも取り組んで下さい。

一番大事なことは、会社に十分なキャッシュを残し、安定性のある事業運営と、選択肢の多い事業戦略を取れる状況を作ることです。

過大な借入金を作るのは問題ですが、適切な借入金額でしたら、事業からの収益で返済して行けば良いのです。

計算してもみて下さい。仮に日本政策金融公庫から300万円(5年返済)、信用保証協会から300万円(5年返済)で借りたとしても、年間の利息は12万円です。(年利2%計算)

借入金は毎年減って行くわけですから、利息も2年目以降12万円すら、かかりません。

月額1万円程度の利息で開業時に手元に600万円のゆとり資金があれば、そのお金を基に資金ゼロでやるよりはるかに稼いで、余裕で返済も出来ると思いませんか?

更に良いことは、日本政策金融公庫や信用保証協会で返済実績を積んで信用を作っておけば、「2回目以降の融資が笑っちゃうほど簡単になる」と言うことです。

事業は良い時ばかりではありません。

仮にピンチが訪れた時に、「いつでも日本政策金融公庫や信用保証協会がお金を年利2%で貸してくれる事業者」と「金融機関との付き合いをして来ずに、どこからも相手にされない事業者」どちらが生き残ると思いますか?

これは何もピンチが訪れた時だけではなく、逆にチャンスが訪れて一気に大きくする為に資金需要が生じた際にも、「借りれる事業者」と「借りれない事業者」には大きな差が付くことになります。

最初に「資金調達の必要はないから融資なんていらん!」と強がった人が大体2,3年後に困り、開業時から金融機関との付き合いを大事にして返済実績を作った人が2,3年後には資金調達に強くなっています。(公庫にしても信用保証協会付融資にしても全部返済する前に、半分くらい返済すれば借り換え、追加融資も可能ですので)

繰り返しになりますが、合同会社を設立するだけなら誰でも出来ます。

長く経営を考えるのであれば、資金調達の知識は必須ですので、早い段階で勉強と実践をすることを強くお勧め致します。

ご自身で勉強する時間がない、なかなか実践できないと言う場合、資金調達に強い税理士に依頼すると言うのも一つの選択肢でしょう。

あまり新規開業者や経験の浅い経営者には知られていないのですが、資金調達は税理士の仕事です。記帳やお金の流れ、事業内容を把握しているわけですから。

資金調達に強い腕のいい税理士と出会うことは節税や税務調査時の対策だけではなく、資金調達や資金繰りの面でも大きく役立ちます。

→ 資金調達に強い税理士をご希望の方はこちらをご利用下さい。

合同会社で介護事業

合同会社で介護事業を始める方へ

介護事業の合同会社設立実績多数の行政書士法人ウィズネスだからできるご提案
介護事業の開業と運営に絶対失敗しない為に。

介護事業するなら合同会社設立!

介護事業指定を受けるために法人化しなけれならないけど、どの法人が一番良いの?

介護事業の指定を受け、介護報酬を受け取る為には「法人格」が要件となっております。

一言に法人格と言っても、株式会社・合同会社・一般社団法人・NPO法人・医療法人・社会福祉法人等、形態は様々です。

NPO法人・医療法人・社会福祉法人等はイメージが良く、マーケティング観点から利用者を集めやすいというメリットは多少あるかもしれませんが、手続きにかかる期間、書類、費用、人員面を考慮すると、かなりの大変さを覚悟しなければなりません。

また、株式会社の場合でも実費だけで20万円以上、一般社団法人の場合で11万円以上かかります。

合同会社ですと、この実費がわずか6万円で済みますし、法人化手続きも1週間程度で終わりますので、介護事業をまずは小さく、スムースに始めたい方には非常にお勧めな法人形態と言えます。

ご存知ですか?介護事業は助成金を受給しやすいのです。

介護事業は、他の業種と比較して一番助成金の種類が多く、しかも一番助成金を受給しやすい業種です。

それは、団塊の世代の方々が企業等を退職し、これから年金生活となり介護を受ける方が多くなると仮定することが国、そして地方の課題だからです。

助成金は種類が様々で、介護に関連する助成金だけ考えても様々です。

受給するための準備としては以下のようなことが問題になりますので、助成金申請前(会社設立前)に十分な注意が必要です。(介護事業は法人化が必須ですので、設立費用の安い合同会社を選択される方は多いのですが、焦って会社設立手続きをしてしまうと大きな不利益を被ることになってしまいます。)

  • 法人設立の際の役員構成、および出資者の構成
  • 介護指定申請の前に検討すべき事項(事業目的、法人化、介護事業ごとの3つの指定基準(A.人員基準、B.設備基準、C.運営基準)を満たしておくこと)
  • 人を雇い入れる前、もしくは事業開始前に認定を受けること

※助成金は、既に介護事業を既に行なわれている方や、医療法人・社会福祉法人を経営されている方なども受給の可能性はありますので、社会保険労務士の診断を受けられることをおススメします。

多くの社会保険労務士が助成金分野に踏み込めない理由は、助成金申請業務は、助成金の種類によって条件が全く違い、全てを把握する必要があるといった点が問題です。

個人事業と法人の違い(アプローチとして会社法、法人・所得・消費税法、その他労働法令など)を理解することなども必要となってきます。

このように、非常に特殊で、ただ手続をすれば助成金がもらえるといった助成金とは、大きく変わってくるのが「創業助成金」の特徴です。

社会保険労務士でもなかなか把握できない助成金を一般の方が全て把握し、関連法規を全て勉強した上で適切な助成金を見つけて申請し、無事受給することは至難の業ではないでしょうか。

助成金受給によって、いかに開業後の経営が楽になるのか?

  • 「助成金はすぐに出るの?」
  • 「助成金は返さなくていいんでしょ?」

など様々な質問があると思います。

助成金はもちろん返済は不要だし、すぐに出なくてもおおよそ1期目、もしくは2期目には受給できる場合が殆どです。(助成金はすぐには出ませんが、雇用して6ヵ月後や、雇用後1年以内に受給できるものが多くあります。)

そのためには、法令を遵守し健全な経営、健全な雇用を行なっていくことが大事なことになります。ひいては利用者の方々がよろこばれる環境づくりに寄与できるものであると思っております。

助成金の入金があった際は経理処理として、「雑収入」ということになります。もちろん法人税はかかってきますので、利益が出た場合には法人税を納付するということにはなりますが、数百万円の助成金が出たら、とてもうれしいものです。

よく考えてみてください。

  • 売上を300万円上げるために利用者が何人必要か?
  • 何人のスタッフが必要か?
  • どれくらい施設が必要か?

この金額は、「助成金を知っている」「助成金の受給の仕方を知っている」「助成金の上手な運用方法を知っている」というだけで、経営にとって大きくプラスになることは間違いないと思いませんか?

介護事業こそ、助成金を活用してほしい!

これからは医療・介護・福祉の時代です。

早く準備に着手し、早く手を打ったほうが今後の準備がスムーズになります。介護・福祉に関連する助成金制度は様々です。ただし、多くあるからといって安心していても受給できません。

しっかりと診断をし、どの助成金が、どういう形で準備をすれば一番多く受給でき、経営にとってプラスなのかを判断することは非常に大切なことであると思っております。

介護・福祉業界は他の業種と比較し、決して利益率の高い業種ではありません。また、介護事業の場合は訪問介護であっても、通所介護、施設系であってもすぐには売上が立ちません。

少しずつ利用者が増え、少しずつ売上が上がっていくといった事業所が殆どです。助成金は、最初の赤字補填のためと考えてもいいのかもしれません。だからこそ助成金のような収入は絶対必要なのです。

助成金を受給しておくことは、今後の長い経営の中で必ず有益なものになります。

経営者の方が複雑に考えずシンプルに考え、様々な協力者に協力を受け早い段階で経営を安定させることが、利用者にとって、またスタッフにとって一番大事なことではないでしょうか?

会社設立よりもはるかに大変な事業指定申請

介護事業に関して言えば、いかに早く指定申請を済ませるかということは、死活問題です。

会社設立も事業指定申請もスピードが非常に重要になります。

介護事業指定申請の書類は、写真を見て頂ければわかると思いますが、結構な量です。手続き先も多岐に渡りますので、相当の手間・労力・時間をかけなければ、書類作成及び申請はできません。

それらの作業に時間を取られているようでは、介護事業を軌道に乗せる上で最も大切な、人員の確保(雇用)と、利用者の確保(集客)に専念出来ないことでしょう。(※正直、この2点が一番難しくて大変です。なんといってもまだ指定も取れていない、会社も誕生していない事業所に、なんとか口説いて来てもらうのですから・・・)

また、仮に、人員確保・利用者確保ができたとしても、指定申請書の提出までに手間取っては、無駄な給与の発生・介護保険から出るはずの利用者の利用料が見込めないことになり、1日1日が赤字の積み重ねになっていきます。

繰り返しますが、会社設立も事業指定申請もスピードが非常に重要なのです。

2012年以降、これまで以上に社会保険労務士のサポートが必要になります。

介護事業に携わる方なら、2011年6月に改正介護保険法が国会で成立したことはご存じでしょう。(2012年4月から施行されております。)

これは既存介護事業者にはもちろん、これから新規で介護事業を始める方にも大きく関係する大きな改正で、労働基準法はもちろん、職業安定法、労働安全衛生法、育児・介護休業法等に抵触した場合に事業指定取消になる可能性があるというものです。

当該法改正以前にも、実は、事業指定取消処分は相当数ありました。

厚生労働省によると、2008年度は指定を取り消された介護サービス事業所が、116事業所に上り過去最悪でした。取り消しの理由は不正受給が最も多く、

  • 記録が不備で実態と異なる
  • 人員配置基準を満たさない
  • 書類提出命令に従わない

等も目立ったようです。

最初から悪意を持って不正受給をしているような業者は論外ですが、経営が厳しく、やむにやまれず、実態が基準からかけ離れていってしまった事業者も多いことでしょう。

本音を言えば、「儲からないから仕方ない」「これくらいのことはやらなければ、経営をやっていけない」「他もやっている」ということで労働法関係諸法を破ってしまったということはあると思います。

町の中小零細企業経営者であれば、多少共感できてしまう部分もあるのかもしれませんが、今後そのような甘い考えは一切許されなくなると覚悟した方が良いでしょう。

多くの事業者は、急いで経営体質を改善していかねばなりません。

事業指定を取り消されると、不正受給分は当然、加算金含めて返還。事業もそこでストップ、多額の返還請求金を背負っての倒産は避けられません。

開業前から十分こうした法改正や関係諸法を理解・認識した上で、コンプライアンス対策を取った経営を行って行く必要がありますが、なかなか事業主だけで理解・体制整備をしていくことは難しいのではないでしょうか。

今後、介護事業に精通した社会保険労務士や税理士の力は、介護事業者にとって必須のものとなっていくと考えております。

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合同会社でFX取引

FXの2012年税制変更と法人化について

FX取引するなら合同会社設立!

平成24年1月から店頭FX税制が変わるけど、それでも法人化した方が良いの?

2012年1月から、店頭FX税制が変わりました。大きく簡単に挙げますと、以下の通りです。

  1. 申告分離課税で税率一律20%
  2. 取引所先物取引等と損益通算が可能
  3. 3年間の損失繰越が可能

何だか凄い大きなメリットのように言われていますが、単に、店頭FXがくりっく365等の取引所FXと同じ税制メリットを受けらるようになります、と言うだけの話です。

元々、法人によるFX取引の方が税制的にも有利なので、多くのFX投資家は法人をうまく活用してきました。

今回の税制変更があったからと言って、法人によるFX取引の方が引き続き圧倒的に有利である事実は変わりませんが、FX取引のためにわざわざ法人化までしたくない!という方は引き続きくりっく365を使っていきましょう。

このページでは、法人FX取引のメリットをひとつひとつ具体的に見ていきましょう。

1.税率一律20%

これまでのFX税制は、総合課税で給与所得等と合算して計算され、税率も累進課税方式でした。
ところが、2012年1月からは、利益に対する課税額が一律20%と変更されました。

金額の大小に関わらず、また、店頭FX、取引所FX(これまでのくりっく365や大証FX)の別に関わらず、税率が一律20%になったことは、個人投資家の皆様にとっても非常に嬉しいことだと思います。

税率一律20%と言われれば、数字的には何となく安そうな気がします。

しかし、考えて頂きたいのですが、これは利益(所得)に対する税率です。

利益(所得)とは、「収益(為替差益+スワップポイント) - 必要経費」です。

収益が多くても、必要経費が多ければ、利益(所得)は小さくなり、税金も少なくなりますので、経費を大きくするというのは、税金を節約する一つのポイントです。

個人のFX取引の場合、FXの運用益は「雑所得」扱いとなります。この「雑所得」の必要経費と認められる範囲には様々な制約があります。

取引手数料などは当然全額経費となりますが、その他の項目としては、FX投資セミナーや書籍、パソコン、インターネット代程度のものでしょう。(担当税務職員によっては、PC購入代金さえも全額経費とは認めてくれないこともあります。)
※現在、海外口座の場合はパソコンやセミナー、書籍代など経費計上できるが、国内口座の場合は、計上できないルールに法改正されました。

つまり、個人取引の場合、2012年のFX税制変更で税率が20%になったと言っても、実質的には、収益のほとんどに課税されることになり、節税の余地は著しく限定的ということになります。

例を挙げてみますと、FXで1000万円稼いだとして、経費になるものなんてセミナー代や書籍代、パソコン代(しかも一部)程度ですから、経費としては年間50万円程度行けばイイところではないでしょうか?

その場合、950万円に対する20%課税ということになり、190万円もの税金が持っていかれることになります。

その一方で法人の場合、自分自身への役員報酬はもちろん奥さんや家族への給与を支給することで、課税所得をかなりコントロールできます。

もちろん個人で役員報酬や給与を得ますと、個人でも所得税を支払うことになるのですが、【給与所得控除】という仕組みがある為、また、法人事業の場合、個人よりも経費算入できる範囲が圧倒的に広い為、個人でFXを行った場合に比べて大きく節税できます。

※自分自身や家族の役員報酬をいくらにすべきかは、大きく節税にかかってくる部分です。必ず税理士に事前相談の上、シュミレーションしてもらった上で決定してください。

要は、個人でFXをやっている方は、結局のところ、2012年1月の税制変更後も、自身の税金額をコントロールすることは出来ず、法人でFXをやっている方は、税金額をコントロール出来るという点が大きく異なるわけですね。

私自身が個人でFXをやることが馬鹿らしいと思う最大の理由がココです。(自分で税金をコントロールできないということは、お上に言われるがままに税金を持っていかれるだけということです。)

2.申告分離課税で他の金融商品との通算が可能

これまでFXの損益は他の金融商品はおろか、店頭FXと取引所FXの通算さえも認められていませんでした。

ところが、2012年1月からは、店頭FXと取引所FXのみならず、金や原油等の商品先物取引や、他のCFD(Contract For Difference)取引、日経225先物、ミニ取引など、幅広い金融商品の間での損益の通算が可能になります。

しかし、これなんて、FX以外の投資をやっていない方からすると、全く関係ない変更です。

法人の場合、他の金融商品との損益通算はもちろん、事業所得との損益通算まで出来てしまうのです。これも前述の「税金のコントロール」という部分と被るわけですが、法人取引の大きなメリットです。

例えば、法人でFX取引をしている場合、FXで500万円の利益を出したとしても、事業で500万円の損失(経費)を計上した場合、課税はゼロとなるわけです。(逆に事業で利益を出していて、FXで損失を出した場合には、節税になります。)

3.3年間の損失繰越が可能

この改正は個人の方にとっては嬉しいですね。これまで店頭FXにて取引をしていた方は、利益が出たら税金で持っていかれ、損失が出たら救済なしというデタラメな状況でしたから。

しかし、この点に関しても2012年税制改正以前から、7年間損失を繰り越せる法人の方が圧倒的に有利でした。(現在は法人の場合9年損失繰り越しが可能になりました。)

だって、損失から4年目に大きな利益が出てしまったらどうしますか?3年の損失繰越期間は必ずしも十分とは言えないのではないでしょうか?

例えば、

  • 1年目 500万円の損失 ← 税金の支払い無し
  • 2年目 200万円の利益 ← 税金の支払い無し(繰越1年目)
  • 3年目 100万円の利益 ← 税金の支払い無し(繰越2年目)
  • 4年目 100万円の利益 ← 税金の支払い無し(繰越3年目)
  • 5年目 600万円の利益 ← 税金120万円(前年までで、まだトータルのマイナスが100万円があるが、その分は繰越できず、当年利益600万円×20%の課税をされてしまう

FXを継続的に行っていくおつもりの方は、繰越3年あるから、十分リスクヘッジが出来ていると安心していませんか?

損失が出た時のリスクヘッジを考えるなら、損失の繰越期間を、少しでも長くしておきたいものです。

また、法人取引にするということは、損失を貯金に変えるということでもあります。

例えば、1000万円の損失を出してしまっても、翌年から9年かけて1000万円の利益を出した場合、税金はゼロです。
一方で、単に1000万円の利益を出した場合、20%である200万円を税金で取られることになります。

そう考えれば、損失が出た事実は悲しいことですけども、前者の場合、翻って考えれば、1000万円の損失=200万円の貯金とも考えられるのです。(プラス思考だと思われるかもしれませんが、税金的にはそういうことになります。)

誰だって損失出そうなんて考えてFX取引していないですし、出したくもないでしょう。

それでも出るときは損失も出るのがFX投資です。

FX投資において、最大の節税方法が法人化であり、同じく最大のリスクヘッジ方法もまた法人化なのです。

既に個人でやられている方は今期は諦めて数千万円の税金を払うしかありませんが、次回からは法人化で回避したほうが良いでしょうね。

法人化でレバレッジ規制を回避する

FX投資家の方はご存知だと思いますが、2010年8月1日から金融庁の方針により、FX取引の一番の魅力であった高いレバレッジかけることに対して規制が入ってしまいました。

2010年8月より、既に最大レバレッジは50倍に抑えられ、2011年には最大25倍に規制されました。

しかしながらこのレバレッジ規制は消費者保護が目的なので、規制対象は個人顧客のみであって、法人口座はレバレッジ規制の対象外です。

業者によっては、個人投資家と同様のレバレッジを法人に対しても適用していますが、多くの業者は、法人口座に関して現在でも50倍~400倍までのレバレッジを適用しています。 (多くは100倍程度のようです。)

※2018年にはレバレッジ上限が10倍に引き下げられる予定で、海外業者に投資家が逃げるのではないかと言われています。

ところで何で、合同会社なの?

単純な理由で、合同会社の方が設立費用が安いからです。

株式会社の場合、実費だけでも24万円以上かかりますし、専門家に依頼する報酬も考えれば、30万円程度は軽くかかるでしょう。

本来、株式会社の設立は信用性や、取引先との契約の面から選択されますが、節税やレバレッジ制限回避が目的である、FX取引がメインの会社においてはそんなもの関係ありません。

合同会社であれば、設立実費は10万円だけですし、弊社の合同会社設立サービスであれば、実費と弊社報酬を合わせても12万円程度で設立できてしまいます。

当然ですが、合同会社でも法人口座は作れますのでレバレッジ規制も回避できますし、税率は法人税率ですので、株式会社の場合と変わらず、それでいて営利法人ですから、上記で挙げたような節税メリットを享受できます。

ご注意

FX会社によっては、法人口座開設に当たり社内規にて独自基準を設けております。

例えば、「資本金100万円以上」とか、「事業目的に外国為替証拠金取引が入っていること」等です。

元々、銀行においても大手メガバンクなどでは資本金が少ない新設法人ですと法人口座開設を拒否されることがありました。

FX法人口座に関しても、何らかの基準を設けていること自体は間違いありませんので、必ず事前に「法人口座開設基準」に関しては、取引予定FX会社に確認してから合同会社設立手続きに入るようにしてください。

せっかく合同会社を設立して法人にしたのに、結局、法人口座で取引できないとなると、かかった費用や手間だけが無駄になってしまいますので。

ちなみに、マネースクエアは私自身も法人名義の口座を持っており、ずーっと愛用しています。私がマネースクエアをオススメする理由はこちらにまとめています。

会社設立のデメリットはないの?

デメリット1 設立に費用がかかる

先述の通り、合同会社を設立した場合、ご自身で書類作成や手続きをやったとしても、10万円の実費が必要になります。(弊社に依頼された場合、トータルで12万円です。)

デメリット2 毎年法人住民税がかかる

法人の場合、毎年利益ゼロ(赤字)でもかかる費用として、法人住民税が7~8万円程度かかります。

デメリット3 税理士報酬がかかる

法人の記帳や確定申告をご自身で行うことは現実問題難しいでしょうから、税理士への報酬が月額2万円程度+決算料(顧問6か月分程度)がかかりますので、年間40万円程度必要になるでしょう。(もちろん契約内容や契約する税理士によって金額は変動します。)

※上記3点は主に金銭的なデメリットですが、正直このくらいはFX収益と法人化による節税額でペイできます。(それどころか逆に節税金額の方がはるかに大きいでしょうし、この程度を払っていけない規模の取引をするのであれば、逆に会社設立をする必要はありません。)

個人でFXやってても、結局税理士に依頼することになりますよ?

敢えて、デメリット3として、税理士報酬がかかる、と記載しましたが、実は2012年のFX税制で最も大きなメリットと思われる損益通算。

この損益通算メリットを享受するには、損失年のみならず、その後も毎年継続的に確定申告をすることが条件になっています。

これは、「個人だから自分でもできるレベル」ではないでしょう。(試しに一度ご自身でやってみても良いかもしれません。)

つまり、これからは、個人でFX取引をやっている方でも、税理士に依頼することが多くなるだろうと思われます。

個人でやっても法人でやってもどうせ税理士に頼まないといけないのであれば、法人でFX取引をして損益通算も長く、節税もでっかくやった方が断然良いと思うのも当然ではないでしょうか。(税理士報酬も経費ですので、税理士契約自体が節税になります。)

また、決算だけ依頼して費用を安くしようと考えがちの方も多いのですが、決算だけ依頼の場合は割高になります。

毎月の顧問を依頼されていた場合、毎月の仕訳記帳データから決算関係書類を出力できますが、決算だけ依頼する場合、結局ゼロから全ての仕訳を入力しなければなりませんので、税理士にとっては、手間は結局年間顧問+決算と何ら変わらないのです。

従って、毎月顧問をお願いして決算料込で20万円なのに、決算のみ依頼の場合には18万円とかになってしまうケースは多いのです。

大幅に料金が変わるならいざ知らず、どうせこの程度の金額差だったら、決算申告だけ依頼するよりも顧問を依頼して、毎月節税アドバイスをもらったり、いざという時の税務調査に立ち会ってもらった方が断然オトクです。(当然ながら、決算のみ依頼した場合、決算申告だけのサービスですので、税務調査には立ち会ってもらえず、ご自身のみで戦う羽目になります。)

ご注意 FX投資を行っていて、税務申告をおざなりにしている方へ

平成21年1月からは、全てのFX取引業者に支払調書の提出が義務付けられ、FX取引のすべての損益・明細が税務署側で把握できるようになっています。

申告漏れはもちろん、過少申告で脱税(節税ではありません)した場合や申告が遅れた場合など、利子税、延滞税、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税等の税金が別途課税される場合があります。(お聞きになったことがあるかもしれませんが、これらの税金はサラ金並の利率です。)

悪質なケースでは、有罪判決を受けることもFX投資家の方ならご存知だと思います。

更に悲惨なのは、税務調査は必ず遅れてやってくるということです。

俺はもう3年もFX取引を申告していないけど、税務調査なんて1度も来ないよ。ばれやしないよ。

なんて考えている方は、近い将来、必ず痛い目を見ることになります。これは断言できます。

税務調査は、1年2年で来るのではありません。

数年敢えて泳がせておいて、一気にガッツリ取りに来るのです。

先述の通りFX取引は税務当局に筒抜けなんですから、まとめて取った方が税務署も楽に、確実に取れるというわけです。

一旦申告漏れが発覚すると、過去5年から7年遡って税務調査をされますので、FX取引ではなく、税金関連でそれまでの利益をふっ飛ばしてしまう可能性もあります。

しかも不思議なもので、利益が出た年にきちんと申告・納税していれば払えたのに、後から遅れて税務調査に入った時に限って、利益を吹っ飛ばしていたり、大きな含み損を抱えた塩漬けポジション持ってたりで手元現金が無くて税金を払えないんですよね。(ちなみに、あまりの追徴課税額に自己破産を考える方もいらっしゃいますが、自己破産しても税金は免除されません。)

FX取引に関しては、個人法人関係なく、税務申告は確実にするよう、強くお勧め致します。(まあFX取引に限ったことではないのですが・・・・)

いくら利益が出たら法人化すればいいの?

この質問も非常に多い割に、回答に困る質問です。

この問題を考える際には、利益額ではなく、取扱い金額で考えると良いでしょう。

例えば、100万円程度をレバレッジ5倍で運用しているのであれば、利益も多額とはいかないでしょうし、損失も限定的でしょうから、法人設立をしてまで節税を図ったり、リスクヘッジの為の損益通算を最大限7年にまで引き延ばすという対策も必要ないでしょう。レバレッジ規制も関係ないレベルですし。

年間数十万円程度の、大きな損失も、大きな利益も出すつもりがない人には法人化は不要です。

逆に数百万円~数千万円規模の利益や損失が可能性としてある方は、確実に法人化をしておかないと大変なことになります。

大きな金額を動かす場合には、多額の利益を出してしまった場合の【節税対策】も必要ですし、逆に多額の損失を出してしまった場合の【リスクヘッジ】も必要なのです。

ところで、「国保」忘れていませんか?

実は会社設立される方は、税金よりもこの国保(国民年金保険・国民健康保険)負担の対策をしているケースの方が多いのです。

FX税率も20%となりましたし、正直確定申告する際(毎年2月中旬から3月中旬)には、「あ、税金こんなもんか。じゃあ法人とかいらないかな」と思います。

しかし、国保の請求時期(毎年6月くらい)になって、あまりの国保の高さにビックリして、「何とか会社設立で負担を減らせませんか?」と駆け込みで相談してこれられます。これはもう毎年の風物詩のようなものですね(笑)。

FXで稼いだ時に本当に怖いのは、税金ではなく、国保だと頭に入れておいた方が良いでしょう。

国保が高くなるのは、個人所得が高いからです。

会社にすれば、役員報酬のコントロールで保険料を低く抑えることも出来ますし、社会保険加入も出来て一石二鳥ではないでしょうか。だからこそ、家族を役員に入れるなどして節税と共に保険料節約の対策もまた取ってかねばならないわけです。

対策は後からは出来ない・・・・・

これが悩ましいところで、例えば、

大きな利益が出てしまったから、急いで合同会社を設立して節税を図りたい!

と言っても、時すでに遅しです。利益が出てしまってからの節税は節税ではなく、脱税になるからです。

逆に、

大きな損失が出てしまった。。。。損失は損失で仕方ないが、長きに渡って損失を繰り越して、将来的な節税を図っていきたい!

と思って法人化を検討しても、これまた時すでに遅しです。

対策はいつだって後からは出来ず、前もってやっておくしかないのです。

これは税金にしてもそうですし、保険料にしてもそうです。個人で大きな利益を出したからと言って、急いで会社設立をしても、その年は観念して払うしかありません。
ただ、翌年、また同じことにならない為にも、法人化を早めにしておいた方が良いでしょう。

私は自分でもやっています!

よく、合同会社を利用してFXをやりましょうという案内をしているWEBページは見かけますが、実際に取引や法人化、FX節税をしている人はほとんどいないというのが実情です。

しかし、私自身は違います。

2007年からFXに取り組み、実際に取引も法人化も節税もやっている上で、お客様にお勧めしております。

長く実際に取引を行えば、法人化した方が、儲かった時も、損した時も絶対的に有利であることがお分かり頂けるでしょう。(特に、私自身大きな損失も出してそのことを実感しました。)

参考までに私の個人的なFXサイトもお教えいたします。

参考の上、ご決断頂ければと思います。

初心者専用!豪ドルFX投資.com(毎月の取引実績も公開中!)

2015年末からはこちらに書いています。 →豪ドルFX投資blog〜100万の元手で着実に年利30%を狙おう〜

合同会社で建設業許可

これから建設業許可を取得しようと考えている経営者の方、会社設立をお考えの経営者の方。

効率よく建設業許可と会社設立を同時に行うには、それぞれの特徴をよく知ることが大事になります。

弊社は延べ1,000社を超える会社設立手続き実績と、県内150社を超える建設業者の関与先を抱えております。数多くの実務経験に裏打ちされたノウハウとして、どんなことに気をつけると良いか、又は自分にあった方法とはどんなスタイルか、こちらを参考にしていただきたいと思います。

建設業許可を取得した場合のメリット

  1. 工事施工金額の上限がなくなる。

    許可を取得していなければ軽微な工事(建築一式:1500万に満たない工事又は延べ面積が150㎡に満たない木造住宅工事・その他:500万に満たない工事)のみとなりますが、許可取得後は、施工金額を気にすることなく受注ができます。

  2. 取引先の確保や信用が得られる。

    業者によってはコンプライアンスへの取り組みから建設業許可取得業者に下請を依頼するという条件を提示する場合もあります。

    また、許可を有しているということは技術者や財産的な要件を満たしているということから信頼を得ることができます。

  3. 公共工事を受注することができる。

    公共工事を請負うには経営事項審査を受けなければなりませんが、その経営事項審査を受けるには建設業許可を取得している必要があります。

    公共工事を受注することで事業を安定させることができます。

  4. 融資の申請に有利になる。

    建設業許可を取得していない場合に比べて、財産的基礎要件も必要となる許可業者は審査の判断材料としても有利になります。

    また、許可業者の方が必然的に仕事の獲得機会や売上単価が大きくなるので、この点も融資審査の際にプラス材料となります。

建設業の許可を取得するとたくさんのメリットがありますが、取得する際の注意点もあります。

建設業許可取得の際の注意点

  • 許可の申請をする際は90,000円の証紙代と複数に渡る書類を作成しなければなりません。行政書士に代行を依頼する場合は15万前後の費用が必要となります。
  • 年に一度の決算報告と5年毎の更新が必要です。毎年決算報告をしていないと5年後の更新ができません。更新をしなければ許可は継続されず、再度新規申請を行うことになります。
  • 変更が生じた場合は変更届を提出します。

上記のように多少の費用や手間はかかりますが、許可を取得することで工事の規模も大きくなり、安定した売上に繋がるのであればデメリットと言えるほどの問題ではないでしょう。

許可を取得せずに建設業を営むこともできますが、許可を取得した方が社会的信用や請負う業務の幅も広がりあらゆるチャンスを生み出すことができます。

要件が満たせない場合は申請することができませんが、専門家に相談することでダメだと思っていたものが解消することができるなど、要件を満たすためのアドバイスを受けることができます。建設業許可をお考えの方は諦めずにまずは相談してみましょう。

建設業の許可申請は個人と法人どちらで申請すべきか?

建設業許可を申請するには個人・法人どちらでも申請することができます。

個人のままで申請し、後から法人成りをすることもできますが、どちらか悩む場合はそれぞれの内容をよく確認した上で検討しなければなりません。

個人で取得した建設業許可は事業主に帰属するということから事業主が死亡した場合は引き継ぐことができず廃業しなければなりません。

後継者がいる場合でも新たに申請しなければならないため、後継者に引き継がせる予定がある場合は予め法人設立してから建設業許可を取得する必要があります。

法人で許可を取得していれば法人の代表者が死亡した場合でも、変更の手続きを行えば引き続き許可を継続することができます。

その際、要件である経営業務の管理責任者と専任技術者が欠けないようにすることが重要となります。

代表者が経営業務の管理責任者だった場合は後任を届けなければ許可を継続することはできません。

近い将来、法人化をする予定があれば許可を取得する前に会社設立をするとその後の手続きがスムーズに行えます。

法人設立のメリット

  • 税金面

    個人事業と法人では税金の計算方法や税率が異なります。

    個人事業の利益にかかるのが所得税で、法人の利益にかかるのが法人税となり、所得税は利益が出るほど税率は上がり、法人税は一定の税率となっており、利益がいくら大きくなっても税率は変わりません。

    開業からまもなく利益が少ないうちは個人事業でも少ない税金で済みますが、利益が上がるようになると法人が有利と言えます。

    税率で見てみると、所得が510~660万を超えるようであれば法人への検討をされる基準になるでしょう。

    また、経費の幅が広がることや赤字を繰り越す期間が長いこと、相続税がかからないなど個人と比べて法人は節税対策を行うポイントがたくさんあるので、より良い方法で対策することができます。

  • 信用面

    融資の際の審査では、個人よりも法人の方が融資を受けやすいと言われています。

    取引先の印象や社員を採用する際の働く側の印象も法人の方が印象は良くなります。

  • 決算月

    個人事業の場合は1月~12月が決算と決まっていますが、法人は決算月を自由に決めることができます。

    経営状況や節税対策などを考えて都合の良い月に合わせることができます。

  • 責任

    法人は出資の範囲で有限責任となるため税金や借入金など個人で返済する必要がありません。(経営者が保証人となり融資を受けている場合はメリットにはなりませんので注意が必要です。極力代表者保証の付く必要の無い信用保証会付融資や、日本政策金融公庫の新創業融資を利用しましょう。)

個人事業主のメリット

  • 税金面

    個人事業は利益に応じて税金がかかるので利益がなければ税金を支払う必要がありません。

    一方、法人の場合は法人住民税が均等割となるため赤字であっても毎年7万円は支払わなければなりません。

  • 社会保険

    国民健康保険と国民年金に加入していれば社会保険の加入義務はないため、負担を軽減することができます。

  • 事務作業

    登記をすることもなく、確定申告も簡単なことから事務負担を軽減することができます。

  • 交際費
    全ての交際費を経費として計上することができます。
  • 事業の開始と廃止の手続き

    個人事業の場合、税務署に書類を提出するだけで事業を開始・廃止することができます。

    一方法人の場合は、開始・廃止の際は登記が必要となるので費用もかかります。

会社設立と建設業許可申請

会社設立だけをする場合はそれほど注意することはありませんが、建設業許可を取得するには会社設立の際の注意点がいくつかあります。

  • 事業目的
    会社設立にあたって事業目的を登記しますが、その際建設業の許可を申請しようとする業種名を正確に記載します。

    また、今回申請することがなくても、将来業種追加をするかもしれない業種も予め入れておくと登記の追加をするための登録免許税や専門家に支払う報酬などをかけずに済みます。

  • 資本金

    会社設立のための資本金は通常金額の指定はありませんが、建設業許可要件を満たすためには500万円以上の資産があることを証明しなければなりません。

    会社設立と一緒に許可申請を行う場合は資本金を500万円にすることで同時に要件を満たすことができます。(現物出資の場合は要件に該当しません。)

    資本金が500万円未満でも法人名義の口座で500万円以上の残高証明書を発行してもらうことで要件を満たすこともできます。

  • 役員

    建設業許可要件には経営業務の管理責任者は常勤の役員でなければならないとあります。

    法人設立の際は経営業務の管理責任者となる方は必ず取締役となり、後継者などがいるのであれば取締役に入れておくことをお勧めします。

    会社設立に関しては重要な事ではありませんが、建設業許可では経営業務の管理責任者が欠けると許可を継続することができません。

    後で役員の追加をすることもできますが、変更のための登録免許税が発生しますし、後継者の実務経験を養うためにも備えておくとよいでしょう。

株式会社と合同会社

一般的に会社といえば株式会社を思い出すことが多いと思いますが、合同会社も認知度は低いですが様々なメリットが有ります。

それぞれの違いを把握した上で検討するとよいでしょう。

合同会社のメリット

  • 設立費用が安い

    法人設立に必要な登録免許税は株式会社の場合下限額は15万円となっていますが、合同会社の場合6万円となっています。

    資本金の0.7%が登録免許税となるので一定額を超えるとこの限りではありませんが、半分以上も費用を抑えることができます。

    また、株式会社は定款認証の手数料が5万円必要ですが、合同会社の場合定款を認証する必要がないためその5万円の費用も浮かせることができ、その定款も電子定款にすることで印紙代の4万円も必要なくなります。

    株式会社に比べて登記の書類も少なく、認証する時間も省けますので設立までの期間も短縮することができるでしょう。

  • 役員変更の手続きが不要

    合同会社の場合、定款で役員の任期を定めない限り任期は存在しません。

    株式会社の場合の任期は2年~10年までと定めがあるためその都度役員変更をしなければならなく、当然印紙代や専門家に依頼する場合は依頼料が発生します。

    実際に役員の変更・役員の氏名や住所に変更が生じない限り変更登記をする必要はありません。

  • 決算公告が不要

    株式会社では義務化されている決算期毎の公表が合同会社では公告義務がありません。

    毎年支払う決算書を掲載するための掲載料6万円も必要ありません。

  • 経営が自由

    会社に利益が出たときの配当金の分配率を出資比率に関係なく自由に設定することができます。

    株主総会も必要ないため迅速に経営上の決定を行うことができます。

合同会社の場合、社員全員の同意があれば株式会社に組織変更することが可能です。

株式会社を設立するには費用もかかりますので最初に合同会社で安く早く設立して、経営が落ち着き軌道に乗ったときに必要に応じて株式会社に変更する方法もあります。

設立についてのメリットがあれば当然知っておくべき注意点もあります。

合同会社の注意点

  • 認知度の低さ

    株式会社に比べて認知度が低いため、信頼が得られにくいことがあります。

    求人をする場合や取引をする場合など同じ条件であれば株式会社を選択されることがあるでしょう。

    そのためより良いパフォーマンスが必要となります。

  • 出資者間でのトラブル

    出資者が複数いる場合で、経営がうまくいっているときは意見も纏まりやすいですが、一度意見が対立すると収拾がつかなくなる場合があります。

    日常業務に支障が出ないよう信頼できるパートナーと設立し、その信頼を継続させなければなりません。

  • 出資をしなければ経営に参加できない

    出資者は原則経営に参加する事になりますが、定款に定めれば出資者でも参加できないようにすることはできます。

    しかし、出資者ではない者はいくら定款に定めても経営に参加させることはできません。

合同会社に向いている人

  • 法人にする必要がある場合
  • 設立費用をとにかく抑えたい
  • 自由な経営をしたい
  • 能力を重視した経営をしたい
  • 株式会社へ組織変更するための準備として

株式会社に向いている人

  • 社会的信用を得たい人
  • 出資を募り事業拡大していきたい
  • 設立費用は安くなくてもいい

より詳しい解説をこちらに記載しています。 → 建設業許可の取得に向けてまずは知っておきたい8つのポイントと6つの許可要件

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