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経費の知識を付ける

経営者たる者、税金の知識を付けるべきだと私は思います。

税務は税理士に丸投げではなく、ご自身で税金についてしっかりと知識を身に付けた上で、税理士と対等に話せるレベルになる。

その上で、第三者の目、プロの目として最終的なチェックを受けると言う体制が良いと思います。

税理士にも色々いまして、自ら節税を提案してくれる税理士ばかりではなく、特に小さな部分に関してはそんなところまでアドバイス出来ないと言うこと経営者が知らず知らず無駄な税金を払ってしまっているケースも多々あるでしょう。

しかし税金の勉強と言うと敬遠される経営者が多いのもまた事実です。

従って私は、「経費の知識」を付けましょう、と言いたいと思います。(単に言い方を変えただけの話ではあるのですが)

結局のところ、税金額は売上から経費を差し引いた所得(売上-経費)で決まるわけですし、売上を控除・過少計上するわけにはいきません。(脱税)

※もちろん、過大に計上するわけにもいきません。(粉飾&みすみす税金を多く払うことになります。)

要は売上は動かせないのですが、「経費の知識」さえあれば、税金額をコントロール出来るわけです。

事業主のあなたは、どのようなものが経費に算入出来て、どのようなものが経費に算入できないかご存知ですか?

まずは経費(節税)に関する書籍を5冊程度読めば、かなり経費の知識はカバーされると思います。(その5冊の書籍代も新聞図書費として経費で落とせると同時に、そこで得た知識は将来に渡り、多額の節税効果を生むと思います。)

自らも税金の知識を身に付けて、税理士と入念に打ち合わせの上で決算を組めば、税金面で決算時に慌てることもなくなるでしょう。

合同会社を設立した以上、この分野の勉強から逃げてはいけません。

実録!税務調査【体験談】

実は私自身、会社経営が7期に入った所で税務調査に入られました。期間は丸2日間。

顧問税理士にもこの売上規模の会社にしては短い方ですよ、と言われましたが、まあこの2日間は仕事にならなかったですね。

税理士さんに丸投げではなく、税務調査官の対応も可能な限り自分で行ったのですが、あの書類を出して、この帳簿を出して、この履歴は何?、この人の振込先、連絡先教えて・・・・等等。質問攻めと書類や資料の提出で通常業務の方はほぼほぼこなすことが出来ませんでした。

私自身は顧問税理士さんの指導の下、しっかりと領収書を始めとして契約書、請求書、議事録、会社内部資料の整備をしていたので、正直そこまで大変なものにはならないだろう・・・とタカをくくっていましたが、やはり調査と言うのは精神的には嫌なものです。

やましいことはなくても、根掘り葉掘り色々聞かれますし、業務がストップしてしまうのが何より痛いですね。

ただ、通常はこの程度の規模の売上(年商約3億)がある場合、4日間、2人掛かりで調査に来ると顧問税理士からも言われたので、調査前からある程度好印象で(健全な会社であると)見てもらえていたのではないかなと思います。(弊社に来たのは調査官1人で2日間のみ)

税務調査の結果はどうだったのか?

個人の方々に仕事を外注していたのですが、その内の数件が源泉徴収漏れしておりました。その点の指摘があり、修正申告で17万円の納税を追加で求められましたが、その他は全面是認となりました!(源泉徴収の引き忘れ分は、支払者から戻してもらえますので、実質的には無傷の完全勝利と言えると思います。)

交際費も他の各種経費も、旅費出張費や日当も、他は全て「きちんと正しい経理会計が出来ている」とお認め頂けました。

いや〜税務調査自体は嫌でしたが、この経験は非常に良い勉強にもなりましたし、結果的に見たら100点に限りなく近いです。

日々の適正な経理会計、書類整備が今回の結果をもたらしたと言えるでしょう。個人的にも非常に満足な結果でした。

税務調査で思ったこと

外注費に関して(個人の振込先や住所、電話番号まで聞かれました。)や、海外送金に関して(タックスヘイブンへの税金逃れではないのか?)、その他売上・経費の内訳や根拠(主に請求書や契約書)、役員の報酬や個人的なこともちょこちょこと聞かれました。

ただ、きちんとした書類整備や正しい経理が出来ていれば怖がることは何もないと言うことがわかりました。

正直、会社経営をしていると顧問税理士に色々言われます。(領収書・請求書を取れだとか、領収書の裏に誰と行ったか書け、とか契約書はあるか?議事録は作ったか?等小さなものから大きなものまで非常に面倒くさいくらい言われます。)

私は行政書士と言う仕事をしているので、まだ書類作成や書類整備に抵抗はありませんが、一般の方でこれらを全部整備するのも大変だろうなと思います。口うるさい税理士は腕の良い税理士、そして事業者であるあなたのことを守ってくれる税理士だと思って間違いありません。

今回、可能な限り自分で税務調査に対して対応はしましたが、やはり顧問税理士の力は大きかった。

事前準備の時点でまず自分一人であればここまでの準備が出来なかったし、税務調査当日もスムースな対応や受け答えが出来なかったでしょう。

税理士がいてくれたお陰で、無傷で今回の税務調査を乗り越えられたと言っても過言ではないと思います。

今回の件で、これまでも信頼していた税理士との絆や信頼関係が更に深まったと感じています。

そして何より無傷の税務調査と言うのは本当に嬉しいものです。次回も指摘がないよう、今後も健全経営と正しい経理会計・納税申告を行っていきたいと強く思いました。

→ 顧問税理士をお探しの方はこちらをご参照下さい。

法人名義クレジットカードを作ろう

このページは約10分で読めます。

【目次(もくじ)】

1.会社設立後は、口座も車も事務所(家)もクレジットカードも法人名義へ

合同会社設立が完了しましたら、クレジットカードも当然「法人名義」で作ることが可能です。

ただし、クレジットカードの場合にはやはり「与信」の問題から最初はクレジットカードを作ることすらままならず、個人のクレジットカードで立替払いをして、後から経費精算・・・と言う場面も出てくるでしょう。

尚、会社員から会社設立をして会社社長!となると、ステータスアップした気になりますが、金融機関やクレジット会社からは、「新設法人の社長=収入が不安定」と見られ、個人カードすら拒否されやすくなります。

従って、個人のクレジットカードは必ず会社を辞める前に作っておきましょう。

法人のクレジットカードも作れず、個人のクレジットカードも持っていないとなりますと、さすがに不便です。

2.最初はカードの利用限度額が低くても我慢しよう

まずは法人名義のクレジットカードを作ることが目的です。

限度額は最初は30万円〜40万円程度かもしれませんが、使用実績と会社経営年数を重ねて行くと徐々に限度額もカードの色も変わって行きます。

私も最初は限度額40万円でしばしば、リスティング(広告費)の支払が出来なかったり、カードが止まったりしました。

現在ではカードのグレードもプラチナカードとなり、月に700万円越えて使ってもカードが止まることはなくなりました。

尚、2016年10月よりアメックスでは「カードご利用可能額の確認」ができるようになりました。(それまではいくらまで使えるかわからなかったので、止まらないかヒヤヒヤしながら決済をしておりました。)

私も早速自分のカードで試したところ、1,000万円まではOKとでました。
 
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会社経営が10年を超えてきてようやくこの信用を構築できたということなのかもしれません。

現在は1,000万円まで使えるプラチナカードを2枚と、500万円まで使えるゴールドカードを2枚所持しており、いつでも3,000万円分使える状況を確保しています。

参考:クレジットカード枠も3,000万円程度作っておこう(弊社別サイトに飛びます。)

アメックスの場合はいきなりプラチナカードを申し込めるわけではなく、ゴールドカードで利用実績を重ね、先方からのインビテーションがあってはじめて、プラチナカードに変更が可能になります。

焦らずまずはゴールドカードを作って、徐々に利用実績を重ねて、ゆくゆくプラチナにグレードアップを狙っていけば良いと思います。(プラチナの年会費は高いですが・・・)

追記 2018年10月

これまで利用上限1,000万円だったアメックスプラチナカードですが、1,100万円にアップしていました。(100万円増)

アメックス利用上限
※クリックで拡大します。

また、これまで上限500万円だったも、利用上限1,000万円OKと、一気に500万円増加してました。(いつから増額されていたんだろう・・・)

ちなみに、プラチナカードの場合、毎年高級ホテルのフリーステイチケットが届きます。
↓ ↓
アメックスフリーステイギフト
※クリックで拡大します。

3.カードの年会費ってどのくらい?

私が現在メインで使っているアメックスのプラチナカードは2018年10月現在、年会費は税抜13万円になってます・・・消費税込だと14万円超えます・・

ゴールドカードでも年会費や26,000円+消費税ですので、複数枚持つと年会費がかなりきついです。

特に年会費請求月に経費も結構使っていたら涙目になるくらいこの年会費は辛く、年会費の安いクレジットカードにしておけばよかったと毎年後悔している気がします(苦笑)。

それなりに毎月カードでの経費支払が大きくなるケースや海外へ良く行くのならば良いでしょうが、そうでなければアメックスは年会費の高さがネックですね。(※セゾンカードとアメリカンエキスプレスの提携カードであるセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エクスプレスカードだと年会費は2万円で済みます。)

また、アメックスだけですと年会費の高さもネックですが、VISA・MASTERしか使えない店舗やサービスも結構ありますので、別途法人名義で三井住友ビジネスカードを作っておくことをお勧めいたします。

私もサブで三井住友カードを持っていますが、こちらは限度額は低いですが、年会費も1,250円で済みます。

参考:新設法人・個人事業主用の「三井住友カード」申し込んでみた

4.コスパ重視なら「オリコビジネスゴールド」

年会費を出来るだけ安くしつつ、アメックスにも負けないビジネスアシストや各種会員サービスや国内外の旅行保険附帯を求めるなら、オリコビジネスカードGoldがオススメですね。

このカードは利用枠が最大1,000万あると同時に、それとは別に借入可能額100万円~1,000万円のオリコの証書貸付「ビジネスサポートプラン」を利用できます。更に、借入れの際、最大2.0%(実質年率)の金利優遇が受けられますので、非常に資金繰りや資金調達にも強いカードと言えます。

参考:オリコビジネスカードGoldを作ってみました。

5.会社設立したてでどうしてもクレジットカードが作れない・・・・

新設法人の場合、法人名義クレジットカードが簡単に作れず、いくつ申し込んでも法人カードが取得できない・・・・というケースもあります。

法人化したての辛い時期です。

いかにこの時期を乗りきって、ゆくゆく法人名義のゴールドカード→プラチナカード→ブラックカードとステップアップしていけるかですが、最初は普通のカードを作るのも一筋縄ではいきません。

そんな時心強いのがデビッドカードです。

デビッドカードはクレジットカードのように「翌月○○日引き落とし」ではなく、即時銀行口座から決済した分が引き落とされる銀行口座直結のカードです。

従って、クレジットカードであれば限度額が500万円であれば、現時点で銀行口座に500万円がなくても決済できますが(引き落とし日までに500万円を準備すればOK)、デビッドカードの場合は今500万円の決済をするなら、今500万円が口座になければなりません。

即時引き落としであるデビッドカードは、資金繰りの観点からはクレジットカードのようなメリットはありませんが、経費管理やキャッシュレスには大きく役立ちます。

私自身のお勧めはジャパンネット銀行VISAデビットカードです。

私の実際のカード
ジャパンネット銀行
  

法人口座を開設しよう!のページでも言及していますが、私は開業からずっと、法人口座も個人口座も振込手数料が安くてセキュリティも万全のジャパネット銀行と楽天銀行の愛用者です。

ジャパンネット銀行は与信審査なし・年会費永年無料のデビットカードです。

利用限度額も1日あたり500万円、VISAマークがあるお店で使えますので、ビジネスには持ってこいと言えるでしょう。

いずれにしても経営面を考えれば、法人名義のクレジットカード若しくはデビッドカードを最低2枚程度は持っておきたいですね。

合同会社で中古ベンツ購入

これも節税テクニックの一つですが、法人設立して可能になる節税方法に中古の高級車購入と維持費が全額経費で落とせるというものがあります。

私自身も大きい声では言えませんが、この方法でベンツ、BMW、アウディーの3台を法人名義で所有しております。

なぜ中古のベンツなのか?

自動車のような「資産」は、購入してもそれが一括で全額経費になるわけではありません。

減価償却と言う考え方があり、資産は年々、徐々に目減りするものと言う考え方から、いきなり一括で経費に計上出来るわけではないのです。

具体的に言いますと、普通自動車の耐用年数は6年(普通軽自動車は4年)になりますので、仮に300万円の普通自動車を購入しましたら、1年当たり60万円ずつ、その会計年度に経費計上が可能になります。(ただし、決算期ギリギリに購入した場合にはそこから更に実際に使用した期間に応じての按分となりますので、必ず税理士にご相談の上購入時期を決めたり、会計処理をするようにしましょう)

中古車の場合には、いくばくか使用期間が経過しているわけですから、耐用年数も本来のそれより目減りしているはずです。

「ベンツは4年落ち」なんて言われますが(ここでは専門的な話や細かい計算は割愛しますが)、4年落ちのベンツだと「2年」で経費で落とせますので、仮に4年落ち300万円の中古ベンツであれば、最初の1年150万円経費算入、2年目で更に150万円経費算入が可能ですので、当然節税にもなりますし、2年で償却出来ると言うわけです。

なぜ法人名義なのか?

法人名義ですと車両購入代が減価償却の考え方で複数年に渡りはしますが、結局は全額経費算入できることはお話しました。

それとは別に、法人名義の車両であればガソリン代や保険料等の維持費も全額経費で落とせます。

個人名義の車両の場合には必ず「自家使用」の考え方(自家用、プライベート用としての使用分もあるでしょう?と言う考え方)から全額経費とはなかなか認められません。

法人名義であれば、「自家使用」の考え方自体がないので、面倒な計算や区分の必要がないですし、こちらも節税に寄与します。(ただし、当然実態として仕事に関係なく思いっきりプライベートメインで使用していると税務署に突っ込まれる可能性はあるでしょう。)

法人名義で車を買う時は、損益以外に収支も考えよう

いくら車両購入が節税になるからと言って、その為に会社の資金繰りが苦しくなっては意味がありません。

従って、車両購入の際には「損益」以外に「収支(お金の出入り)」に関しても注意しましょう。

お勧めの方法としては、例えば、300万円の4年落ちベンツを購入する場合、役員報酬をあなたが現在会社から50万円もらっているとしましょう。

役員報酬を50万円→37万円に引き下げます。

その上で、月々13万円のローンを24回払い(2年)で払っていきます。(自動車ローンが4%として、312万円÷24ヶ月=13万円)

そうすれば、会社から出て行くお金は同じ50万円ですし、あなた個人としても役員報酬を下げたことで節税と社会保険の削減になります。その上でベンツも手に入るわけです。(法人としても節税になるのは既に述べた通りです。)

車両に対する会社のキャッシュフローとしても、13万円の支出&損益も1ヶ月あたり減価償却で計上出来る経費が125,000円なのでほぼキャッシュフローベースの損益計算書が出来上がります。

ローンが終わる頃には、また個人の役員報酬は50万円に戻せば良いでしょう。(会計年度の途中での役員報酬変更は出来ませんが。)

通常、サラリーマンが同じ条件で300万円ベンツを買おうと思うと、もらう給与(仮に給与50万円なら50万円丸ごと)に対しての税金と社会保険料を支払った上で、残ったお金でローンを組んだり、貯金をしたりしてベンツを買う方法しかありません。

この違いは何気に長い目で見たら結構な違いですよね。

サラリーマンはコツコツお金を貯めてやっとの思いでベンツを買いますが、会社経営者は、節税の為に「仕方なく」「コントロールしながら」ベンツを買います。

会社経営者が法人名義で高級車を購入するのにはこう言った理由があるわけですね。

せっかく合同会社を設立したのなら、それなりに利益を出してこう言った手法も使って、楽しい会社経営と自動車ライフを楽しみながら、手取りも最大化して言って頂ければと思います。

車両の購入時期や減価償却(何年落ちの、いくら位の車両にするのか)に関しては必ず事前に税理士に相談の上決定しましょう。

→ 顧問税理士をお探しの方はこちらをご参照下さい。

事業用車両のリースも検討しよう

車両購入に比べてリースは割高になりますが、以下のメリットもあります。

  • 全額経費算入できる
  • 手元資金を大きく減らすことなく車両を手に入れることができる

その一方で、リース契約は車両に関わらず中途解約が原則できませんので、契約の際には熟考の上決めましょう。

参考:法人契約もできる格安マイカーリース「マイカー賃貸カルモ」

カルモのメリットとは?

  • 節税効果が高く、税金の支払いも不要(税金支払いも代わりにやってもらえる)
  • 新車は全てのメーカー、グレードの取り扱い可能。(中古車のリースも可能)
  • 税金・初期費用コミの毎月定額なので、キャッシュフローが明確で簡素化できる。
  • 全国どこでも納車可能。
  • 新車平均保有期間の7〜9年の料金体系は業界随一の安さ。
  • ディーラー等に出向かなくともオンラインで契約まで締結できる。(相談もTEL、メール、LINEとも対応可能)

赤字会社の税務調査

「うちは赤字会社だから取れるものもないし、税務調査はないだろう」

と考えてらっしゃる方も多いかと思います。

不況による影響で、赤字会社は増加傾向にあります。赤字だからと言って申告が正しくされているとも限りません。

税務署からすると、赤字でも黒字でも申告漏れの可能性があれば関係なく調査にやってくるということです。

税務調査とは毎年申告する内容に漏れ等がないか、正しく申告されているか、税務署が調査することです。

調査には強制調査と任意調査があり、強制調査は承諾の有無にかかわらず、国税犯則取締法によって強制的に行われる調査です。

計画的で悪質な場合に対して行われるものですので、通常このような調査はありません。

一方任意調査とは、質問検査権によって行われる調査で、同意を得て行われますので、強行はできません。ですが、調査自体を断ることはできず、都合が悪ければ日程を変えて調査を受けることになります。

抜打ちでやってくるイメージがありますが、あらかじめ日時、場所を通知して行うのが原則となっています。
  
黒字の会社に比べると、赤字申告の会社に調査が入る割合は少ないですが、申告の時点では赤字だった筈なのに、調査してみると黒字だったという「偽装赤字」も少なくありません。

偽装赤字が疑われる可能性としてこのようなケースがあります。

  • 同じ規模・業種の会社と比較した利益率が極端に低い
  • 同じ規模・業種の会社と比較した原価率や人件費等が極端に高い
  • 貸倒れ等の多額の特別損失が計上されている

このような場合、偽装でないとしても調査が入る可能性が高くなります。

税務調査のポイント

  • 売上計上の時期が間違いないか、あるいは操作されていないか
  • 交際費(公私混同されていないか)
  • 在庫の計上漏れ
  • 売上の計上漏れ
  • 架空の人件費(就労していない身内・役員給与等)
  • 消費税の計算

領収書等は不正ではないことを証明するためにも、相手の名前をメモ書きするなどして、日頃から証拠の保存に心がけると良いでしょう。

自分できちんと申告をすることができれば、調査が入っても指摘を受けることはありませんが、税務調査の対策も兼ねて、少し余裕があるのであれば、専門の税理士にお願いすると安心です。

→ 顧問税理士をお探しの方はこちらをご参照下さい。

合同会社で資金調達

合同会社設立手続き自体は簡単です。ハッキリ言って、誰でも会社設立だけなら出来ますし、社長にはなれます。

しかし、資金がなければ設立した合同会社の経営はすぐに行き詰まることになります。

最初の会社設立資金に加え、運営資金も全て自己資金で賄えるならば問題ないかもしれませんが、そう言う方はむしろ少数派でしょう。

実際多くは、自己資金+借入金で開業及び運営に必要な資金を捻出します。

資金調達はどこでするの?

新規開業者が資金調達する方法は以下に大別されます。

  • 融資を受ける(間接金融)
  • 出資を受ける(直接金融)

融資を受ける(間接金融)とは?

わかりやすく言うと「借入(借金)」です。

しかし簡単に新規開業者が融資を受けられるほど、世間は甘くありません。

実際問題、新規開業者である小規模の合同会社が受けられるのは以下の2つの融資制度になります。

  • 日本政策金融公庫
  • 制度融資(信用保証協会付融資)

詳しい融資制度や手続きの流れは上記リンクからそれぞれのサイトへ飛んで確認して頂ければと思いますが、資金調達において重要になるのはやはり「自己資金」と「事業計画書」です。

上記2つの金融機関は、自己資金無しで利用出来る融資制度も用意していますが、実際には自己資金がない方の審査はほぼ通りません。

考えてみれば当然だと思いますが、

何とか100万円は自分で必死に働いて貯めて来ました。足りない残り200万円を融資してもらえないでしょうか?

と言う方と、自分では何の努力もせず、我慢や節約もせず、300万円貸してくれと言う方、どちらに融資したいと思いますか?

自己資金がない方ですと、どんなに素晴らしい事業計画書があっても融資はなかなか下りないですし、逆に自己資金を頑張って貯めた方であれば事業計画書さえしっかりと作り込めば高い確率で融資は下ります。

  • 自己資金の証明はどうするのか?
  • 事業計画書の作り方はどうすればいいのか?
  • 資金調達のノウハウを知りたい!

そんな方は、弊社のこちらの資金調達支援サイトのコンテンツを参考にして頂ければと思います。

→ 日本政策金融公庫融資支援ドットコム

この2資金調達先は、融資利率が低く、年利2〜3パーセント程度で長期で借りれます。新規開業者が必ず検討しなければならない資金調達先です。

公的融資申請においては必ず事業計画書が必要になります。弊社で販売しております実際に融資の下りた事業計画書例25も参考にして頂ければ幸いです。

出資を受ける(直接金融)とは?

合同会社も会社ですから「社債」の発行が可能です。

中でも節税メリットがあったり、社債利息の一部を区や市の自治体が負担してくれることもある「少人数私募債」が合同会社でもにわかに注目・活用されています。

少人数私募債に関しては説明すると長くなるので、弊社の少人数私募債専門サイトをご一読頂ければと思います。

→ 少人数私募債.com

お勧めはどの資金調達方法ですか?

どれが良い、悪いではなく、全手法を活用することが重要です!

日本政策金融公庫と信用保証協会付融資を併用しつつ、可能なら少人数私募債にも取り組んで下さい。

一番大事なことは、会社に十分なキャッシュを残し、安定性のある事業運営と、選択肢の多い事業戦略を取れる状況を作ることです。

過大な借入金を作るのは問題ですが、適切な借入金額でしたら、事業からの収益で返済して行けば良いのです。

計算してもみて下さい。仮に日本政策金融公庫から300万円(5年返済)、信用保証協会から300万円(5年返済)で借りたとしても、年間の利息は12万円です。(年利2%計算)

借入金は毎年減って行くわけですから、利息も2年目以降12万円すら、かかりません。

月額1万円程度の利息で開業時に手元に600万円のゆとり資金があれば、そのお金を基に資金ゼロでやるよりはるかに稼いで、余裕で返済も出来ると思いませんか?

更に良いことは、日本政策金融公庫や信用保証協会で返済実績を積んで信用を作っておけば、「2回目以降の融資が笑っちゃうほど簡単になる」と言うことです。

事業は良い時ばかりではありません。

仮にピンチが訪れた時に、「いつでも日本政策金融公庫や信用保証協会がお金を年利2%で貸してくれる事業者」と「金融機関との付き合いをして来ずに、どこからも相手にされない事業者」どちらが生き残ると思いますか?

これは何もピンチが訪れた時だけではなく、逆にチャンスが訪れて一気に大きくする為に資金需要が生じた際にも、「借りれる事業者」と「借りれない事業者」には大きな差が付くことになります。

最初に「資金調達の必要はないから融資なんていらん!」と強がった人が大体2,3年後に困り、開業時から金融機関との付き合いを大事にして返済実績を作った人が2,3年後には資金調達に強くなっています。(公庫にしても信用保証協会付融資にしても全部返済する前に、半分くらい返済すれば借り換え、追加融資も可能ですので)

繰り返しになりますが、合同会社を設立するだけなら誰でも出来ます。

長く経営を考えるのであれば、資金調達の知識は必須ですので、早い段階で勉強と実践をすることを強くお勧め致します。

ご自身で勉強する時間がない、なかなか実践できないと言う場合、資金調達に強い税理士に依頼すると言うのも一つの選択肢でしょう。

あまり新規開業者や経験の浅い経営者には知られていないのですが、資金調達は税理士の仕事です。記帳やお金の流れ、事業内容を把握しているわけですから。

資金調達に強い腕のいい税理士と出会うことは節税や税務調査時の対策だけではなく、資金調達や資金繰りの面でも大きく役立ちます。

→ 資金調達に強い税理士をご希望の方はこちらをご利用下さい。

合同会社を設立して国保を節約

合同会社を設立すると、例えば社長一人の会社であっても、社会保険は強制加入となります。これをデメリットと捉える方が多いのですが、果たしてそうでしょうか?

元々の個人事業の所得が少なく、国民健康保険や国民年金の支払額自体も少ない方でしたら、社会保険に加入することで負担増となる可能性は十分あります。(しかしそのくらいの事業所得ならば、会社組織にわざわざすることもないと思います。)

しかし、国民健康保険の年間最高額(69万円)に近いくらい払っているそこそこ所得の多い方は、国保・国民年金の負担も決して軽くはないのではないでしょうか?

国民健康保険は都道府県によって計算方法が異なりますが、大体世帯所得が約610万円位で国民健康保険の年間最高額69万円となります。

世帯所得なので、旦那300万、奥さん300万なら最高レベルの負担となるわけです。これって結構厳しいですよね。

逆に、突き抜けて年収1億円の方も国民健康保険は最高額で69万円なので、富裕層にとっては逆に国保はオイシイ制度となります。(社会保険は受取報酬額に連動して保険料が高くなっていきますので。)

年収1億円の人の保険料負担率は0.7%(69万円÷1億円×100)
年収600万の人の保険料負担率は11.5%(69万円÷600万円×100)

ただ、年収1億円のスーパーリッチなんてなかなか誰でもなれるわけではなく、むしろ世帯所得600万円程度の方の方が圧倒的多数なはずです。

その位の所得の方にとっては、実に10%以上の保険料を納めていることになり、更には年金もそれに応じて支払額が増えることになります。

そして国保の値上げはとどまることを知らず、今後もますます増加していきそうです。

先日日経新聞に以下のような衝撃的な記事が出ておりました。

(以下引用)

東京都は国民健康保険(国保)で市区町村別に算定した2018年度の標準保険料をまとめた。都内平均で1人当たり年間14万8916円と、16年度に比べ26%上昇。ほぼ全市区町村で増える計算で、最大で6割近く上がる自治体もある。各市区町村は加入者の急激な負担増を避けるため、今後数年かけて段階的に引き上げる見通しだ。

引用元URL:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27029590W8A210C1L83000/

(ここまで)

では、具体的に上記該当しそうな方々は一体何をどうすれば良いのか?

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答えは、個人事業で行っている一部分を法人化(合同会社設立)し、そちらで役員報酬を低めに設定する、、、、、です。(今後この方法はマイナンバーの施行により通用しなくなる可能性も高いです。)

冒頭で申し上げた通り、法人化すると社会保険は強制加入ですが、社会保険は役員報酬に連動して決まりますので、役員報酬が低ければ支払う保険料も低く抑えられます。

支払っている保険料が安かろうが、病院での自己負担率は平等に3割なわけですし、多く払っても少なく払っても社会保険加入者は社会保険加入者で平等なわけです。

そして法人化した事業部門以外は、これまで同様個人事業として稼ぎまくれば良いですし、これまでのように個人の方で国民健康保険を支払う必要はありません。(既に社会保険加入しているわけですから。)

実はこの手法はある程度ボピュラーで社会保険労務士や税理士が個人事業主として、士業の仕事分の売上を個人で計上し、コンサルティングの仕事を会社での売上にしたりして節税や社会保険の削減を図っていますし、外にも農業や家賃収入のある方、FX収入がある方なども活用しています。

ただし、大切なポイントとして下記事項を合同会社設立前に決めておく必要があります。

  1. 現在の個人事業のどの事業部門を法人化するのか?
  2. 社長や役員、株主はどうするのか?
  3. 会社の利益状況はどのようにすれば良いのか?
  4. 役員報酬はいくらくらいにすれば良いのか?

また、実際に会社設立をした後も、以下の注意点があります。

  1. 税法上所得の区分をきちんとしなければならない(個人に帰属すべきか、法人に帰属すべきか)
  2. 将来もらえる年金は減る(可能性が高い)ので、しっかりと貯蓄をする

年金は支払った額に連動しますので、社会保険料を削減すれば、当然年金支払いも減りますので、将来もらえる年金額も減ります。

従って、社会保険削減で手元に残ったお金を全部使ったりしますと、資産もない、将来の年金も少ないと言うことになりますので、将来を見越したライフプランニングが大切です。(今の破たんしかけている年金状況を考えれば、強制的に取られるよりも自身で人生設計をしっかりした方がマシだ!と言う方も多いと思いますが・・・)

お問い合わせ先について

当ページでご紹介しております方法や、シュミレーションに関するご相談、お問い合わせには回答出来ません。必ず顧問税理士や顧問社労士にご相談下さい。弊社は会社設立手続きに関するご相談、ご質問以外には一切お答え致し兼ねます。

顧問税理士や顧問社労士がいらっしゃらない方は、こちらのサービス利用(無料)をご検討頂ければ幸いです。

旅費規定で節税を図る

小さい会社はほとんど活用していませんが、「旅費規定」を作成し、旅費を出すことで個人・法人両面から節税を図ることが可能になります。

ソコソコ出張がある会社からすれば、この旅費規定を作成しておくか否かで税金面が大きく変わる可能性がありますし、出張なんてほどんどないよ・・・・と言う方もいらっしゃるかもしれませんが、地方に住んでいてたまにセミナー参加の為に上京したり、買い付けで他県へ行ったりすることはないですか?

よくよく思い返してみれば、よほど自宅や事務所だけでカタカタパソコンをやっているだけ・・・と言うような事業でもない限り、何らかの動きはあるものです。

旅費規定のここがお得

どこで得をするかと言うと、例えば、旅費規定の中で宿泊費を1日8,000円と設定したとします。その場合、宿泊費は法人から8,000円支払われます。しかし実際は5,000円の安宿に泊まったとしたら、個人的には3,000円の儲け(お小遣い)が出ます。

また、宿泊費の差額をポケットに入れるまではしなくても、この宿泊費とは別に出張の場合「日当」が出ますが、これも例えば1日10,000円と規定すると、まるまる個人の収益となります。(しかも、この日当はなんと非課税!つまり本当に1万円まるまる個人の手取りになります。)

役員レベルでは、業種業態によっては月に5日間くらい出張することもあるでしょうが(実際に私も月に5日~10日位は出張があります)、その場合、月5万円~10万円、給与に上乗せでの非課税収入があるということになります。

更に素晴らしいのは、交通費や宿泊費はもちろんですが、この個人に振り出した日当は、法人側からすれば全額損金算入が出来るので、法人側からしても節税になります。

正に個人でも、法人でもお得と言うわけですね。

旅費を経費算入する為には、何が必要なのか?

個人から見ても、法人から見てもメリットの大きい旅費規定ですが、当然いくつか整備しなければならない要件や書類があります。(書類整備が出来ていないと、当然税務署にも否認されることになります。)

領収書自体は当たり前として、それ以外に以下の2点が必要になります。

上記からサンプルをダウンロード出来ますが、内容や細かい規定に関しては各自の事情に合わせると同時に、必ず顧問税理士のチェックを受けて下さい。

旅費規定は社長や一部の役員だけの特権であってはならず、全社員が対象で、全社員に対して出張した際には旅費規定にある宿泊費や日当を支払う必要があります。

節税になるとは言え、経営のことを省みずに規定を作ると経営を圧迫する要因にもなりますし、社会通念上或いは同業種での相場を逸脱した過大な日当設定は単なる租税回避と税務署に取られる可能性もありますので、必ずこの点は単に上記サンプルを使用するのではなく、顧問税理士と相談の上で決定することを強くお勧め致します。

→ 顧問税理士をお探しの方はこちらをご参照下さい。

消費税の計算方法

企業が納付する消費税の計算は、納税額の計算方法により求められます。
商品等を販売した際に会社や個人事業主は国に消費税を納めなければなりません。
納付すべき消費税は売上の5%(販売時に顧客から預かった消費税)ではなく、預かった消費税から仕入れにかかった消費税を差引いた分が納付額となります。
※このことを「仕入税額控除」といいます
売上に消費税のかからないものは除かれます。

納税額の計算方法

消費税の納付額 = 売上に係る消費税 - 仕入等に係る消費税
例)消費税の課税対象となる売上(課税売上)が10万円で、消費税の課税対象となる仕入(課税仕入れ)が6万円の場合

  • 売上にかかる消費税 = 10万 × 5% = 5,000円
  • 仕入にかかる消費税 = 6万 × 5% = 3,000円
  • 消費税の納付額 = 5,000円 - 3,000円 = 2,000円

売上高に対しての消費税を納税するとなると生産・流通の段階で重複して課税されてしまうので、売上の消費税額から仕入の消費税を控除することにより、重複しないような仕組みになっています。

消費税計算のために必要なもの

消費税を計算するためには売上・仕入の金額がわかる材料が必要です。

事業者は課税期間の帳簿・請求書が必要であり、帳簿及び請求書がない場合、仕入税額控除は適用されません。

つまり、売上から仕入の消費税を差引くことができないので5%全額納付することになります。

帳簿及び請求書には一定の記載事項が決まっており、すべての項目が記載されてなければいけません。

帳簿の記載事項と保存期間

  • 取引の年月日
  • 取引内容
  • 取引金額
  • 取引相手の氏名又は名称

※帳簿の閉鎖日の属する課税期間の末日の翌日から2ヶ月を経過した日から7年間、納税地、又は取引に係る事務所等に保管

帳簿とは、日々の取引の記録を残すものであり、メモ書きや覚書は帳簿とはみなしません。帳簿の4つの記載事項は一つの帳簿に記載されなくても、元帳・補助帳・仕訳帳で関連付けることができれば要件を満たしていると言えます。

請求書の記載事項と保存期間

  • 取引の年月日
  • 取引内容
  • 取引金額(税込)
  • 取引相手の氏名又は名称
  • 書類作成者の氏名又は名称

※閉鎖又は受領した日の属する課税期間の末日の翌日から2ヶ月を経過した日から7年間、納税地、又は取引に係る事務所等に保管

請求書も帳簿と同様、5つの記載事項を納品書・領収書等を総合して確認できれば要件を満たしていると言えます。税務調査が入れば嫌でも知ることになりますが、帳簿の整備、書類の整備は非常に重要になります。

消費税-請求書が取れない場合

消費税の仕入税額控除を受けるのに、請求書や領収書が取れない場合、原則として仕入税額控除は適用されません。
しかし、例外として帳簿の保存だけで控除が適用されることもあります。

  1. 課税仕入れに係る税込の支払額が3万円未満の場合
    この場合、帳簿の保存のみで控除が適用されます。
  2. 税込の支払額が3万円以上で、請求書の交付にやむを得ない事情がある場合
    この場合、帳簿にやむを得ない理由、相手方の住所又は所在地を記載します。

やむを得ない理由の範囲

  • 自動販売機を利用して課税仕入れを行った場合
  • 入場券、乗車券、搭乗券等のように課税仕入れに係る証明書類が資産の譲渡等を受ける時に資産の譲渡等を行う者により回収されることとなっている場合
  • 課税仕入れを行った者が課税仕入れの相手方に請求書等の交付を請求したが、交付を受けられなかった場合
  • 課税仕入れを行った場合において、その課税仕入れを行った課税期間の末日までにその支払対価の額が確定していない場合
    なお、この場合には、その後支払対価の額が確定した時に課税仕入れの相手方から請求書等の交付を受け保存するものとする。
  • その他、これらに準ずる理由により請求書等の交付を受けられなかった場合(口座振替による支払等)

消費税の課税期間とは?

納付する消費税の計算をする際の基礎となる期間を課税期間と言います。

通常課税期間とは事業年度と同一で12か月が原則ですが、その期間を3ケ月・1ヶ月に短縮することも可能です。
※個人事業者の場合は1~3月・4~6月・7~9月・10~12月の期間で区切ります。

短縮する理由としては、事業年度の初めに設備投資等を行い、消費税の還付を少しでも早めに受けること等が挙げられます。

課税期間を短縮するには、短縮しようとする課税期間の前日までに「消費税課税期間特例選択届出書」を所轄の税務署に提出します。(手数料はかかりません)

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合同会社(LLC)設立丸分かりガイド

合同会社のランニングコスト

合同会社のランニングコスト

合同会社設立のメリットの一つにこの「ランニングコストの安さ」が挙げられます。

設立費用も株式会社に比べ3分の1以下と安いのですが、更には決算公告や役員の重任登記手続き、株主総会の開催が不要な為、ランニングコストが非常に安く済みます。

従って、許認可や取引先との関係で法人化の必要性が高い介護事業や建設業でも広く使われますし、節税目的やレバレッジ目的のFX取引用法人口座開設の為にも合同会社は広く利用されております。

有名どころでは、アップルの日本法人や、西友、シティグループの日本法人も会社運営上のランニングコストの安さや会社運営上の煩雑な手続き回避の為に合同会社の法人形態を取っています。

では、実際合同会社で想定しうるランニングコストはどういったものがあるのでしょうか?

1.年間7万円の法人住民税

これは合同会社に限ったことではないのですが、法人設立をした際のデメリットとして必ず上がってくる項目であり、「赤字でも法人住民税の均等割で7万円かかる」と言うことをご存知の方は多いのではないでしょうか?(この7万円と言うのはあくまでも資本金1,000万円&従業員50人以下の場合の話ではありますが、多くの方はこちらに該当するでしょう。)

実は、会社設立の相談に乗っていても、この年間7万円を非常にネックに感じている方が多いのですが、法人設立をすれば、あらゆる手段で意図的に赤字に持っていくことも出来るわけで(もちろんやり過ぎはいけませんが)、その為のコストが月6,000円弱と考えると、私はメリットの方が遥かに大きいと思います。

もちろん、7万円の法人住民税分の節税を法人化で図れない、或いは7万円の法人住民税すら払える自信、売上の目途が立っていないと言うのならば話は別ですし、そのような状況なら法人化自体必要ありません。

しかし、例えば売上の目途が年間数百万円~1,000万円程度でも立っているならば、法人化を真剣に検討された方が実質的に得をすることが多いと思います。

2.各種変更手続き費用

合同会社設立後に見落としがちなのが「各種変更手続き費用」です。

もちろん何の変更事項もない場合には一切かからない費用ですが、案外設立後には色々な変更が生じるものです。

  • 会社名を変えたい
  • 本店所在地を移転したい
  • 役員をやめたい
  • 資本金を増やしたい
  • 代表社員を変更したい
  • 代表者が引っ越して住所が変わった

上記は全て登記事項になりますので、変更登記の必要があります。変更登記には登録免許税がかかりますし、専門家に依頼すれば専門家への報酬も必要になります。(ご自身で手続きを行うことでできるだけ費用を抑えたい方はこちらのセルフキットをご活用ください

登録免許税は変更事項次第ですが、1万円〜6万円かかります。

しかも変更の度にかかりますので、例えば2回会社住所を変更すれば、管轄次第では12万円かかるわけです。

これら無駄なランニングコストを生じさせないためには、設立段階で熟考に熟考を重ねた上で会社内部の基本事項や機関設計をすべきと言えるでしょう。

3.税理士費用・社会保険労務士費用

会社設立をしますと(個人事業でもそうですが)、税務申告が必要ですし、人を雇えば社会保険関係の手続きが必要になります。

これらのコストは実際はどの程度かかるものでしょうか?

税理士(社労士)費用は実はそんなに高くはない

従業員数や売上、業種、仕訳数にもよりますので一概には言えませんが、例えば仮にご自身と奥さんの二人だけというごくごく小規模な合同会社を設立した場合、税理士に依頼したとしても、月10,000円の顧問料ではないかと思います。

別途6か月分の顧問料が決算申告料の相場ですから(税理士によって異なりますが)、月10,000円 × 12か月 + 決算60,000円 = 180,000円/年が1年間にかかる費用と想定できます。

これを高いと思うか、安いと思うかは個人の経済的価値観にもよるかと思いますが、月15,000円程度のコストで、日々の会計記帳や帳簿の整備の手間や、税務面の心理的不安を取り除けるとしたら、私は安いものだと思います。

自分でやれば無料だと考える方もいらっしゃいますが、例えば仕訳の入力や領収書貼付の作業で1日30分かかるとしたら、月900分(15時間)かかることになります。1年で180時間は費やすわけですので、時給換算すると、千円です。(年間税理士コスト18万円÷180時間)

最初の売上が少ない期間(例えば年商300万円とかしかない方)であれば、勉強も兼ねてご自身でやっても良いでしょう。しかし年商が500万円~1,000万円くらいの方になりますと、どう考えても時給1,000円は割りに合った仕事ではないです。

現在月額20万円以上の税理士顧問料を支払っている私も、最初は自分で弥生会計のソフトを購入して自分で記帳していましたし、売上が伸びたら月額1万円程度の費用で税理士顧問を開始しました。

そこから事業が伸びて会社売上も4億円規模となりましたが、最初に依頼していた税理士に今もお世話になっており、現在では20万円以上の月額顧問料を喜んで支払っています。

単なる記帳代行や税務申告だけならそこまでの金額は支払いません。しかし、役員報酬の調整、報酬の分散、旅費規定や社宅制度による節税、消費税や源泉徴収税の適正な取扱い、万一の税務調査に備えた準備を含めた総合的観点から考えれば、税理士を顧問につけずに会社経営していくことは非常に怖いことだと言えます。

最初にお金をかけたくない!

その想いは新規開業される方皆同じ気持ちです。

けれども、かけるところにはかけないと、余計大損することになり兼ねないですし、法律が絡むことなので損得の問題だけでは済まないこともあります。

税理士の回し者ではありませんが、税理士報酬は最初は安く年間20万円程度から始められますし、事業規模や契約内容によっては、年間10万円位で引き受けてもらえることもあります。実際に皆さんが考えている程のコストはかからないのです。

しかも、税理士報酬は全額損金で落ちますので、仮に年間20万円税理士に支払ったとしても、それ自体が節税になりますので最終的な税金額で4万円程の違いになるでしょう。(つまり、実質的には20万円報酬を支払ったとしても、16万円で依頼したようなものだと言うことです。)

トータルで考えますと・・・・

上記の通り、トータルで考えますと、税理士報酬次第ではありますが、合同会社の年間ランニングコストは大体20万円~35万円程度のライン(法人住民税含めて)と言えるでしょう。(社会保険労務士の顧問を付けると、別途月額1万円の顧問料として、年間12万円程度のコストが乗ってきますが、従業員がいない或いは少数の場合には社労士の顧問はまだあとでも良いでしょう。)

高い!と思われる方は、まだまだ会社設立をする段階にありませんので、個人で続けられても良いでしょう。

税金面や社会保険の面を考慮し、この程度の年間コストならば安い!と思える方は、合同会社設立のステージにあると言えます。

→ 顧問税理士をお探しの方はこちらをご参照下さい。



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