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雇用か外注か


節税のため社員を外注扱いにすることはできるのか?

建設業・美容室・デザイン制作会社を営んでおり、消費税が増税されることにより、現在現場で働いている従業員を外注扱いにして、その給料を外注費として計上したい、と言う経営者の声は多いものです。

なぜなら、外注費であれば、専門の技術者等と業務請負契約によって、企業が他の企業や個人事業主に支払うもので、消費税の控除ができるからです。

給与とは従業員に支払われるもので、消費税の控除はありません。また、社会保険料の負担が発生し、給料を多く支払うほど会社の負担が増えます。

請負か、雇用かの判断は実態によるため、変更しても実態と伴ってなければ、外注として認められません。

外注費として判断されるには次の条件を満たす必要がります。

  1. 外注先が他社からの仕事も請負っている
  2. 外注先が個々の判断で業務を行い、発注者との間に指揮監督系統がない
  3. 作業に使用する道具や材料は全て外注先が用意する
  4. 請負契約書を交わし、報告書や請求書を発行している
  5. 発注元の従業員同様の給与や賞与を受けていない
  6. 個人事業主として確定申告を行っている

税務調査により、外注費が給与と判断された場合、

  • 消費税の仕入税額控除を否認され、追徴される
  • 給与の源泉徴収漏れを指摘される
  • 社会保険逃れを指摘される
  • 延滞税・加算税の請求

このような問題が生じます。調査の期間が3年に渡れば追徴額も高額となるので注意が必要です。

外注費と給与の境界線はわかりづらく、従業員として雇用している状況で、単に出来高に対して人件費を支払っているだけでは外注費とは認められません。

税務調査で指摘を受けないためにも作業現場ごとに請負契約書を作成し、請求書や領収書を保管し、外注費であることを明確にしておく必要があります。

消費税・所得税からすると外注費は有効な節税効果が考えられますが、雇用から請負への変更は会社の都合だけではなく、従業員への十分な説明と同意も必要ですので一方的な変更や解雇は認められません。

契約条件などをよく検討し、専門家の意見を参考にしながら、慎重に判断することをお勧めします。

→ 顧問税理士をお探しの方はこちらをご参照下さい。

社宅で節税を図る

「住宅手当」の場合、受け取った人の給与となりますので、受取金額に対しては所得税・住民税が課税されてしまいます。

一方で、役員・従業員の住居を法人契約した上で、一定金額を役員・従業員から徴収すれば、課税されないと言う大きなメリットがあります。

この「一定額」に関しては、役員の場合と従業員の場合で細かく複雑な計算式がありますが、役員の場合、大体家賃の10%〜20%です。(細かい計算式や、具体的数字は必ず税理士にご確認下さい。)

例を挙げますと、家賃10万円の住居の場合、役員が2万円を会社に支払えば、残りの8万円分は会社が払ってくれるというわけです。

これの何が素晴らしいかと言うと、個人・法人両面からの節税になると言う点です。

わかりやすく例を挙げてみましょう。

仮に役員報酬が50万円で税率が20%とすると手取りは40万円になります。そこから家賃10万円を支払うとすると、税金・家賃を差し引いた残りの可処分所得は30万円と言うことになります。そしてこの時法人での損金は役員報酬の50万円分になります。

一方、仮に役員報酬を45万円にして、家賃は会社が8割負担してくれるので、税金と家賃を差し引いた手残り可処分所得は、45万円−9万円の税金(計算を簡素化する為に同じ20%と仮定して計算)−会社へ支払う個人負担分家賃2万円 = 33万円になります。(給与は5万円減ったのに、手取りは3万円増えました。

そしてこの時法人での損金は役員報酬45万円と家賃負担分8万円で53万円の損金算入が可能です。法人の損金算入額も増えたので、法人としても節税メリットを享受出来たことになります。(それでいて役員・従業員の手取りも増えているわけですから、実質的な給与アップであり、従業員満足度も向上します。)

また、わかりやすくする為に計算には入れていませんでしたが、役員報酬が下がれば、その分個人及び法人で支払う社会保険料も下げることが出来ますので、更に節税メリットが大きくなります。(デメリット無しです。)

実は私自身もこの手法を使っていたわけですが、先日税務調査が入った際にもこの点は当然何にもお咎めなしです。

ただし、「社会通念上社宅とは認められないような豪華社宅(タワーマンション等)は全額個人負担」となります。あくまでも小規模住宅の場合となりますのでご注意下さい。

小規模住宅の定義はここでは割愛しますが、合同会社設立後このような点もしっかりと税理士に相談するとかなり大きな節税効果が見込めますので、是非活用して頂きたいと思います。(ハッキリ言って大きく損得が分かれます。)

このような相談も出来る顧問税理士を予算内(年間20万円以内とか)で付けたい方向けに、無料税理士紹介も行っております。(ご相談・初回面談無料)

ご注意

当サイト記載の税金関連コンテンツはあくまでも合同会社設立・運営における際の情報提供として公開しております。最新の税法や具体的なご相談に関しては、必ず税理士にしっかりとご相談の上、ご判断・お手続きをされるようお願いいたします。

→ 顧問税理士をお探しの方はこちらをご参照下さい。

源泉徴収制度

社員に給料を払う際にその給料の額から所得税を差し引いて払い、差し引いた分ををまとめて国に納付しなくてはなりません。こうして徴収される所得税を源泉所得税といいます。源泉徴収税は社員の給料だけでなく、税理士や司法書士等に支払う報酬などについても徴収が必要になります。

給与の源泉所得税の計算方法

源泉徴収税の概算額は源泉徴収税額表を元に計算します。源泉徴収税額表は適用ごとに以下のように分類してあります。

甲欄の適用者

2ヶ月を超えて継続雇用をする人のうち扶養控除等申告書を会社に提出した人が適用となり、あらかじめ扶養控除分を差し引いて源泉徴収額を計算します。
2ヶ所以上で働いている人については、主たる会社のみで扶養控除等申告書を提出し、主たる会社以外では乙欄適用ということになります。

源泉徴収税額表の月額表を参照しますが、給料を日払いしている場合は源泉徴収税額表の日額表を照らすことになります。

乙欄の適用者

2ヶ月を超えて継続雇用をする人のうち扶養控除等申告書書を会社に提出ていない人が適用となり、徴収額は甲欄よりも高くなります。
2ヶ所以上で働いているため乙欄適用になった方は年末まで在職していても年末調整の対象とならないため、確定申告をおこなうことになります。

源泉徴収税額表の月額表を参照しますが、給料を日払いしている場合は源泉徴収税額表の日額表を照らすことになります。

丙欄適用者

2ヶ月を超えて継続雇用しない人が適用となります。

源泉徴収税額表の日額表を参照します。日雇い及び2ヶ月以内の短期雇用で日給が9300円未満の場合は、源泉所得税の徴収はありません。

賞与の源泉所得税の計算方法

賞与の金額で源泉徴収税額表に照らすのではなく、前月分の給与などの金額から社会保険料を控除した金額を賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表に当てはめて計算します。
表で算出率を確認し、社会保険料控除後の賞与額に掛けた金額が源泉所得税となります。

源泉所得税の納付期限

原則として給与などを支払った月の翌月10日までに納付しなければなりません。10日が土日祝日に当たる場合はその休日明けが納付期限になります。
納付期限を過ぎた場合は、源泉徴収義務者の方が延滞税や不納付加算税を負担しなければならないことになりかねませんのでご注意下さい。

外注先からの源泉徴収税

自社スタッフ・従業員からのみの源泉徴収ではなく、外注内容次第では、外注先に出す報酬からも源泉徴収しなければなりません。(これを適切にやっていない場合、税務調査の際にツッコまれて取引先にも迷惑をかけることになり兼ねませんし、追徴課税もされます。納得いかない話ではありますが、会社が税金を徴収しておく義務があるのです。)

外注先への源泉徴収に関してはこちら

ザックリですが、外注先に出す報酬額が100万円以下の場合には復興税含めて10.21%を源泉徴収します。

日々の帳簿整備や税務調査の観点からも外注先から請求書をきちんと取っておくことは当然ですが、更に源泉徴収税も忘れずに差し引いて納税する癖をきちんと付けておきましょう。(源泉徴収税の滞納額は法人税の滞納額よりも多く、経営・資金繰り面からも油断出来ない税金です。)

宜しければこちらの源泉徴収税対応の請求書ひな型を各会社事業に合わせてご活用ください。(件名横の金額部分だけ変更すれば自動計算されます。)

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合同会社の支店設置

合同会社に置いても株式会社と同じように支店を設置することができます。
(一時的な営業所や出張所を設置する場合には、支店設置の必要はありません)

支店設置には登記が必要となります。
業務執行社員の過半数の一致よって設置する場所と時期を決定します。
(定款に別段の定めがある場合にはそれに従って、支店設置について決定することになります。)

また登記のほか、税務署、労働基準監督署、公共職業安定所、社会保険事務所などへの手続きも必要になります。

支店設置の登記手続き

支店を本店所在地と同じ法務局管轄内に設置する場合と管轄外に設置する場合ではお手続きが違います。管轄につきましては下記法務局HPにてご確認ください。

→ 法務局管轄のご案内

本店所在地と同じ管轄内に支店設置する場合

登記申請は、本店所在地を管轄する法務局に、支店を設置した日から2週間以内にしなくてはなりません。

必要書類

登録免許税

60,000円

本店所在地の管轄外に支店設置する場合

登記申請は、本店所在地を管轄する法務局と支店所在地を管轄する法務局両方にする必要があり、本店所在地を管轄する法務局には支店を設置した日から2週間以内、支店所在地を管轄する法務局には3週間以内にしなければなりません。

必要書類

本店所在地管轄の法務局提出

  • 合同会社支店設置登記申請書
  • 業務執行社員の過半数の一致を証する書面
  • OCR用紙(別紙)

支店所在地管轄の法務局提出

  • 合同会社支店設置登記申請書
  • OCR用紙(別紙)
  • 本店の所在地で行った登記を証する書面

登録免許税

60,000円(本店所在地管轄の法務局分)+ 9,000円(支店所在地管轄の法務局分)

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持分会社の種類変更

持分会社は会社を構成する社員の種類を定款を変更することにより変更することができます。
社員の種類を変更すると、持分会社としても別の種類に変わることになります。

合名会社の社員種類を変更する定款変更

合名会社は、無限責任社員だけで構成される会社形態なので、社員の種類が変わると会社種別は以下のようになります。

  1. 有限責任社員を加入させる定款変更をした場合→合資会社となる
  2. その社員の一部を有限責任社員とする定款変更をした場合→合資会社となる
  3. その社員の全部を有限責任社員とする定款変更をした場合→合同会社となる

上記3.の合同会社への変更をする場合には、社員の出資の払込み又は給付が完了した日に定款変更の効力が生じます。

合資会社の社員種類を変更する定款変更

合資会社は有限責任社員と無限責任社員から構成される会社形態なので、社員の種類が変わると会社種別は以下のようになります。

  1. その社員の全部を無限責任社員とする定款変更をした場合→合名会社となる
  2. その社員の全部を有限責任社員とする定款変更をした場合→合同会社となる

上記2.の合同会社への変更をする場合には、社員の出資の払込み又は給付が完了した日に定款変更の効力が生じます。

合同会社の社員種類を変更する定款変更

合同会社は、有限責任社員だけで構成される会社形態なので、社員の種類が変わると会社種別は以下のようになります。

  1. その社員の全部を無限責任社員とする定款変更をした場合→合名会社となる
  2. 無限責任社員を加入させる定款変更をした場合→合資会社となる
  3. その社員の一部を無限責任社員とする定款変更をした場合→合資会社となる

持分会社の種類の変更の登記

社員種類について定款変更をし会社種別が変わった場合は、種類の変更登記が必要となります。
定款の変更の効力が生じた日から2週間以内に、その本店の所在地において、変更前の会社の解散の登記と変更後の会社の設立登記を同時に申請します。

種類変更後の会社が合名会社の場合

登記の際に必要な書類

  • 設立登記申請書
  • 解散登記申請書
  • 定款
  • 総社員の同意書(定款で別段の定めをした場合はその定めに従います。)

    合同会社から合名会社へ種類変更の場合の総社員の同意書の一例です。会社の実情に合わせて作成してください。

    総社員の同意書wordファイル 総社員の同意書(Word形式)

    総社員の同意書pdfファイル 総社員の同意書(PDF形式)

  • OCR用紙(別紙)

登録免許税

60,000円(設立分)+30,000円(解散分)

種類変更後の会社が合資会社の場合

登記の際に必要な書類

  • 設立登記申請書
  • 解散登記申請書
  • 定款
  • 総社員の同意書(定款で別段の定めをした場合はその定めに従います。)

    合同会社から合資会社へ種類変更の場合の総社員の同意書の一例です。会社の実情に合わせて作成してください。

    総社員の同意書wordファイル 総社員の同意書(Word形式)

    総社員の同意書pdfファイル 総社員の同意書(PDF形式)

  • 有限責任社員が既に履行した出資の価額を証する書(合名会社が種類変更をして合資会社となるときに必要となります。)
  • 社員の加入を証する書面(合名会社が有限責任社員を加入させた又は合同会社が無限責任社員を加入させたときに必要となります。)
  • 代表社員の選定に関する書面
  • 代表社員の就任承諾書
  • OCR用紙(別紙)

登録免許税

60,000円(設立分)+30,000円(解散分)

種類変更後の会社が合同会社の場合

登記の際に必要な書類

  • 設立登記申請書
  • 解散登記申請書
  • 定款
  • 総社員の同意書(定款で別段の定めをした場合はその定めに従います。)

    種類変更後の会社が合同会社の場合の総社員の同意書の一例です。会社の実情に合わせて作成してください。

    総社員の同意書wordファイル 総社員の同意書(Word形式)

    総社員の同意書pdfファイル 総社員の同意書(PDF形式)

  • 出資に係る払込み及び給付が完了したことを証する書面
  • 資本金の額の計上に関する証明書
  • 代表社員の選定に関する書面
  • 代表社員の就任承諾書
  • OCR用紙(別紙)

登録免許税

30,000円*(設立分)+30,000円(解散分)

*資本金の額の1000分の1.5(900万円)を超過する部分については1000分の7)となりますが、この計算によって算出した税額が3万円未満であるときは3万円となります。

社員の退社と持分譲渡

合同会社の社員は、やむ得ない事由があるときはいつでも退社できます(任意退社)が、
そのほか、以下のように定款で定めた事由や総社員の同意、死亡などにより退社する事となります(法定退社)。

  1. 定款で定めた事由の発生
  2. 総社員の同意
  3. 死亡
  4. 合併(合併により当該法人である社員が消滅する場合に限る)
  5. 破産手続開始の決定
  6. 解散
  7. 後見開始の審判を受けたこと
  8. 除名

*ただし、5.~7.については退社しない旨を定款に定めることも可能です。

社員は必ず出資をして入社していますので退社の際にはその出資分(持分)を清算する必要があります。
持分の清算方法により、退社手続きには

  • 持分の払戻しによる退社手続き
  • 持分の譲渡による退社手続き

の2つの方法があります。

持分の払戻しによる退社手続き

持分の払戻しは、退社の時における持分会社の財産の状況に従って行われ、物品や建物など金銭以外のものを持分として会社に提供したような場合であっても金銭で受けることができます。

また、退社の時点で払い戻しの計算が行われていなかった場合には退社以後も払い戻しの計算をすることができます。

ただし、持分を払い戻す際に持分払戻額が剰余金額を超える場合などは債権者保護手続(公告、個別催告の費用)が必要となりますので、持分の譲渡に比べ手続きが煩雑で時間もかかります。

必要となる登記手続きと登録免許税

  • 資本金額の変更登記
  • 変更した資本金の額の1,000分の7(3万円に満たない場合は3万円)

  • 社員変更登記(退社)
  • 資本金の額が1億円以下の場合:10,000円
    資本金の額が1億円を超える場合:30,000円

持分の譲渡による退社手続き

持分を別の社員に譲渡し退社する方法で、持分総数自体は変わらないので資本金の変更がありません。
持分譲渡については他の社員全員の承諾を得るかもしくは定款の定めに従う必要があります。
また、持分を会社に譲渡することはできません。

持分の譲渡による社員退社手続きの際の総社員の同意書の一例です。会社の実情に合わせて作成してください。

総社員の同意書wordファイル 総社員の同意書(Word形式)

総社員の同意書pdfファイル 総社員の同意書(PDF形式)

必要となる登記手続きと登録免許税

  • 社員変更登記(退社)
  • 資本金の額が1億円以下の場合:10,000円
    資本金の額が1億円を超える場合:30,000円

お金も時間も掛からない「持分譲渡による社員の退社」がお勧め!

「代表社員の持分を既存の業務執行社員へ譲渡して退社し、既存の業務執行社員が代表社員に就任する」

上記のようなパターンをお考えの方はこちらの自分で出来る!合同会社社員退社手続きマニュアルもお勧めです。

自身で手続きをやる分、費用を最小限に抑えたい方にはお勧めです。(将来的に同じ手続きが発生しても何度でも使えます。)



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