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住民税とは?

道府県民税(都民税のみ東京都が徴収)と市町村民税(東京23区では特別区民税)を合わせた総称を住民税といいます。

いずれも実際の徴収は市町村が原則一緒に行いますが、居住している市町村においての教育や福祉、防災などの行政サービスを行うために必要な資金確保であり、自分の収入額に応じて決定した税額(今年の収入×税率)を翌年に収めることになります。

また個人だけでなく、会社などの法人に課す法人住民税もあります。

個人住民税にもいくつか種類があり、前年の所得金額に応じた所得割と所得金額に関わらず定額で課税される均等割の2つを主に合算して納めます。

住民税の納付方法と納付時期

普通徴収とは納税通知書と納付書が納税者本人に届きます。

無職の人や個人事業主等の場合、一括納付または年4回に分けて納付します。

特別徴収とは原則、徴収・納付までの手続きすべてを会社が行い、毎月の給与から天引きされます。

注意すべき点は、その他に収入がある場合は確定申告を行い申告により住民税を特別徴収又は普通徴収にて納付する必要があります。

なお退職し今現在の収入が少ない、全くない場合でも前年の所得の状況に応じての課税ですから、納付通知は届き支払い手続きも自分で行うことになります。前年の収入が大きい程その負担も大きくなります。

納付時期は市町村から納税義務者に税額通知書が毎年6月に送付されてから翌年5月にかけて完納します。

源泉徴収税とは給与や報酬などを支払い側が関係する税金を差し引いて税務署に仮払いとして納付しておく制度のことです。

年末調整とは1年間の給与や所得税などを再計算して、所得税の過不足を12月に調整することです。

確定申告は1年間の所得にかかる税金を計算し、申告書を税務署へ提出することで納付すべき所得税額を確定します。

また納めすぎた税金が還付金として手元に戻ってくる場合もあります。

なお、基本的に年収103万円以下の場合には税金を払う必要がないため、確定申告は原則不要です。しかし複数の勤務先での給与合計額が103万円を超える場合には確定申告をして税金を支払う必要があります。

住民税の控除

所得控除にはいくつか種類があり、総収入額から所得控除を差し引いて課税された金額が住民税です。

控除金額は若干異なりますが所得控除が多いほど、課税される金額が少なくなるということです。

住民税の所得控除の種類と控除額

雑損控除

前年中に災害や盗難などで資産に損害を受けた場合に控除される金額

損失額から総所得金額等の10%を控除した額、もしくは5万円を超える災害関連支出の金額のうち多い額

医療費控除

自身や生計を同一にする配偶者、または親族のために医療費を支払った場合でも受けることができる控除額

住民税・所得税:年中に支払った医療費から総所得金額の5%(最大10万円)を控除した金額で最高限度額は200万円

社会保険料控除

国民健康保険・国民年金・介護保険料などの社会保険料を支払った場合に受けることができる控除で住民税・所得税:年中に支払った金額。

小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済法で定められた特定の共済契約の掛金や地方公共団体による心身障害者扶養共済掛金などを支払った場合に受けることができる控除額

生命保険料控除

生命保険や個人年金保険、簡易保険などの保険料を支払った場合に受けることができる控除額でそれぞれの生命保険・個人年金保険料

1. 15,000円以下の場合は全額
2. 15,000円以上40,000円以下の場合は、支払った保険料×1/2+7,500円
3. 40,000円以上70,000円以下の場合は、支払った保険料×1/4+17,500円
4. 70,000円を超える場合は、35,000円

住民税:最高7万円、所得税:最高10万円

地震保険料控除

損害保険における地震保険料を支払った場合に受けることができる控除額

1.50,000円以下の場合、支払った保険料×1/2
2.50,000円超えの場合、25,000円

住民税:最高2万5,000円、所得税:最高5万円

障害者控除

本人または控除対象配偶者、扶養親族に障害者がいる場合に受けることができる控除額

住民税:1名につき26万円(特別障害者30万円、同居特別障害者53万円)
所得税:1名につき27万円(特別障害者40万円、同居特別障害者75万円)

寡婦・寡夫控除

離婚または死別(生死不明含む)していてその後婚姻しておらず扶養親族がいる寡婦の場合 

寡夫で年収500万円以下の同一世帯子供(年収38万円以下)がいる場合

住民税:26万円
所得税:27万円

勤労学生控除

所得金額65万円以下の勤労学生である場合に受けることができる控除です。

住民税:26万円
所得税:27万円

配偶者控除

控除対象外の配偶者で所得金額38万以下の場合に受けることができる控除額

1.一般の控除対象配偶者は33万円
2.70歳以上の控除対象配偶者は38万円

配偶者特別控除

所得金額38万円以下の配偶者がいる場合に受けることができる控除

住民税:33万円(70歳以上の配偶者の場合は38万円)
所得税:38万円(70歳以上の配偶者の場合は48万円)

扶養控除

扶養親族がいる場合に受けることができる控除

16歳以上19歳未満、23歳以上70歳未満を一般の扶養親族として扱います。19歳以上23歳未満の扶養親族は特定扶養親族として扱い、70歳以上の扶養者の場合は老人、同居している70歳以上の親などは同居老親として、それぞれ控除額が異なります。

住民税:33万円(特定45万円、老人38万円、同居老親45万円)
所得税:38万円(特定63万円、老人48万円、同居老親58万円)

基礎控除

全ての納税義務者が一律に受けることができる控除額

住民税:33万円
所得税:38万円

税金の種類

日本には約50種類の税金があるといわれ、国の財源となる国税と県や市の財源となる地方税があり、更には道府県税と市町村税に分けられます。

また納め方により直接税と間接税に分類され、税金の使用用途によって普通税と目的税で振り分けられます。

  • 直接税とは税金を負担する人が、直接税金を納めるもの
  • 間接税とは税金を納める人と負担する人が異なるもの
  • 普通税とは一般財源とも呼ばれ、制限がなく何にでも使用できる税金
  • 目的税とは特定の使用用途に限定される税金

国に納める税金の種類

直接税

  • 所得税 – 個人の1年間の所得にかかる税金
  • 法人税 – 会社や協同組合など法人の所得にかかる税金
  • 地方法人税 – 法人税を納める法人にかかる税金で国に納める
  • 地方法人特別税 – 法人事業税の一部で国税として納める。2017年に廃止
  • 贈与税 – 相手からの贈与で得た財産にかかる税金
  • 相続税 – 遺産など財産を相続したときにかかる税金
  • 復興特別所得税 – 東日本大震災の復興費に必要な財源の確保。所得のため税や法人税などに上乗せされる。復興特別所得税と復興特別法人税がある

間接税

  • 消費税 – 商品の販売やサービスの提供にかかる税金で、消費者が負担する
  • 酒税 – 日本酒、ビールなど製造場から出荷の際のお酒にかかる税金
  • 揮発油税 – 自動車のガソリンなどを製造場から出荷したときにかかる税金
  • 石油石炭税 – 原油及び輸入石油製品、天然ガス、石炭などの採取や国から輸入した時の税金
  • 航空機燃料税 – 飛行機の所有者や使用者に納税義務がありジェット燃料に課せられる税金
  • 石油ガス税 – 液化石油ガスにかけられる税金
  • 電源開発促進税 – 一般電気事業者に納税義務があり発電所などが販売する電気に課せられる税金
  • たばこ税 – たばこを製造場から出荷したときにかかる税金
  • とん税 – 日本に入港する外国貿易船などの税金。税額は船の大きさによる「特別とん税」は地方税になる
  • 印紙税 – 印紙税法で定められた各種の契約書、領収書など経済取引を行った時に作成される文書にかかる税金
  • 自動車重量税 – 新車の購入時や車検など車にかかる税金。税額が分類され設定されている
  • 登録免許税 – 不動産の登記など、技能証明や資格登録を含む登録免許税法で定められた登録に関連することに課せられる税金
  • 関税 – 輸入品を国内に持ち込んだときにかかる税金

県に納める税金の種類

直接税

  • 県民税 – 個人の住所又は居所、法人に課せられる都道府県に対して納める税金
  • 事業税 – 個人や法人行っている事業に対してかかる税金でその所得又は収入に応じた金額
  • 不動産取得税 – 土地や建物を取得したときにかかる税金
  • 自動車税 – 自動車を所有しているときの税金
  • 鉱区税 – 鉱業権のある鉱区の面積に応じてかかる税金で所在する道府県に納める税金
  • 狩猟税 – 網猟免許や狩猟者の登録を受けるときにかかる税金
  • 固定資産税(特例) – 市町村でかかる固定資産税のうち一定の額を超えるものにかかる税金
  • 自動車取得税 – 自動車を取得したときにかかる税金

間接税

  • 地方消費税 – 商品・製品の販売やサービスの提供を受けた時消費税と合わせてかかる税金
  • ゴルフ場利用税 – ゴルフ場を利用したときの税金
  • 軽油引取税 – 軽油の引取りをしたときその数量に応じてかかる税金

市町村に納める税金の種類

直接税

  • 市町村民税 – 市町村に対して個人の住所または法人の事務所等を所有しているときに課税されるいわゆる住民税のこと
  • 固定資産税 – 土地や家屋など事業に使う機械などを所有しているときにかかる税金
  • 軽自動車税 – 軽自動車や原動機付自転車などを所有しているときにかかる税金
  • 鉱産税 – 採掘した鉱物などの価格にかかる税金
  • 特別土地保有税 – 一定規模以上の土地を所有又は取得したときにかかる税金
  • 都市計画税 – 市街化区域内に所在する土地や家屋にかかる税金
  • 宅地開発税 – 宅地として開発する土地の面積に応じてかかる税金
  • 事業所税 – 指定都市などに所在する一定規模以上の事務所等にかかる税金
  • 共同施設税 – 共同施設を利用するとき、特に利益を受けたときにかかる税金
  • 国民健康保険税 – 国民保険の費用を補うための税金で世帯単位で課税される

間接税

  • 市町村たばこ税 – たばこの製造者などが小売販売業者に売り渡したときの税金でたばこの本数に応じ課税される
  • 入湯税 – 温泉(鉱泉浴場)に入浴したときにかかる税金
  • 所得課税 – 個人や会社の所得に対する税金
  • 消費課税 – 物品の消費やサービスの提供などに対する税金
  • 産課税等 – 相続税や固定資産税など資産などに対しての税金

未払い残業代について

未払い残業代は、法定労働時間を超えて働いていた従業員に対して支払われなかった、時間外割増賃金のことです。

賃金債権の時効は2年なので、2年以内の分に対して未払い分を請求することができます。

罰則は罰金30万円以下あるいは懲役6カ月以下という比較的厳しいものです。ただ、実際には労働基準監督署の勧告や指導に応じて未払い分を支払うことが多いため、刑事処分を受けることは少ないでしょう。

民事上の処罰は未払残業代の支払い、遅延損害金、付加金の支払いがあります。

裁判所に訴訟を起こした場合には、これらのお金をすべて受け取ることができます。

未払い残業代に関しては、従業員やかつての従業員が労働基準監督署に申告することで発覚することが多いです。

監督署は、会社に対して「是正勧告」を行いますが、これを無視すると場合によっては書類送検されることもあるので、勧告に従い支払いに応じるのがベターです。(もちろん、そもそも残業代未払いなんてこと自体をせずに適正経営をすることがベストです。)

法定労働時間を超えた場合の割増率は、平均賃金の25%以上、休日労働は35%以上、深夜労働は25%以上、また、1カ月の残業が60時間を超えると50%以上になります。これらのことをきちんと把握したうえで、基本給と残業代をしっかりと分けて支払う必要があります。

未払い残業代請求の方法

未払い残業代を請求する方法には、自分で会社に請求する、労働基準監督署に申告する、裁判所に訴えを起こす、労働審判で請求するという方法があります。

自分で会社に請求する場合は、会社との交渉が必要になります。

会社側が交渉に応じない場合は、解決が困難で、また在籍中に未払い残業代の請求はしづらいと感じることもあります。

労働基準監督署に申告すると、監督署が会社に対して未払い残業代を支払うように勧告してくれます。

申告には、タイムカードや給与明細書などの残業代の未払いがあることを証明できる証拠資料が必要です。

ただし、監督署が行えるのは勧告や指導のみなので、勧告を受けた会社が未払い分を支払わないとしてもそれ以上のことはできません。

一方、裁判所に訴える場合は、普通は弁護士に依頼するので費用がかかります。

ただ、タイムカード等がなくても同僚の証言や残業をしたことがわかるメモなどがあれば、証拠として有効です。

もっとも、証拠は多いほうが有利なので、タイムカードのコピーを取っておいたり、毎日、出勤・退勤時に会社のパソコンから自分のメールアドレスにメールを送って残業したことが分かるようにしておくことができます。

裁判の場合は、未払い分だけでなく、付加金や遅延損害金も請求でき、会社側が支払おうとしない場合は強制執行ができます。

労働審判は訴訟を起こすよりも短期間で解決できますが、付加金は請求できません。

会社としては未払い残業代請求などされないように、日頃から従業員に適切な残業代支払いを行いましょう。残業代請求で会社が潰れる時代です。

従業員の方なら、勤務時代から証拠を保全しつつ、未払い残業代があるのであれば弁護士を通してしっかり請求をしましょう。

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各種キットのご案内

ご注意

ご購入様ご自身で何度も使い回すことは何の問題もございませんが、ファイル自体をご購入様以外の第三者へ渡し使い回すことは著作権法違反となりますのでお控え下さいますようお願い申し上げます。

退職金どうしよう?

退職金制度は社員としては、あると嬉しい制度でしょうが、会社側から見ると法的義務もない恩恵的制度です。

実際に顧問の社労士に

「うちくらいの規模の会社(年商4億程度)は実際どうしているの?」

と聞いてみたところ、

A:企業ごとです。儲かってない中小企業はやってない。ただ、儲かっている中小企業は401kをやっている所が増えて来ている。大企業だと4割が401kをやっている。

とのことでした。

退職金のそもそも論について

退職金はそもそも昭和の制度で、終身雇用制が大前提で中小、大企業に関わらずどの会社もやってた時期の制度です。

会社も終身雇用を前提としていたので、「定年まで働いたらこれだけあげますよ」というスタイルでした。

現在は一つの会社で40年ずっと骨を埋めて働くという事もなく、人材が流動的で会社の財務状況次第で大企業でもリストラ、倒産が珍しくない時代になってきています。(※アメリカや他国を見てみると、終身雇用がなかったり、定年制度もない国もあります。また、アメリカについては即日でクビになって退職金もない状態)

退職金制度について

  • 労基法上は退職金制度は義務ではない
  • そのため、中小企業などでは退職金制度をそもそも作ってない(我々の就業規則にも退職金制度は設置していない)
  • 退職金の有無は会社で自由に決めれる(やってもよいし、やらなくても良い)
  • ただし、一度「退職金を会社としてやるぞ!」となった場合には、退職金規程というものをきちんと設置しなければいけない
  • また、性格上、一度「退職金規程を定めて退職金制度を作るぞ!」となった場合に、例えば5年後に「やっぱり、きついので退職金制度を止めます。」というのは厳しい(社員が「そんなの嫌だ!」と強く反対するため)

中退共(中小企業退職金共済事業本部)とは?

もし退職金制度を導入する場合には「中退共(中小企業退職金共済事業本部)」になります。

これは国(独立行政法人)が運営している制度です。

一企業が「退職金で積み立てやりますよ」と言っても、従業員としては「もし倒産した場合にはその退職金もパァになるから嫌だ!」となります。

しかし、中退共であれば国がやっているので、「会社が万が一倒産した場合でも国がお金を預かっていて退職金を確実に貰える」という安心感が従業員にはあるでしょう。

もし企業が独自で退職金制度を運用する場合には、月額5000円の積み立てであれば、4年で48ヶ月。24万円を払う形でも構いません。

しかしながら払う原資は当然内部留保金ですので、利益を出し、きちんと貯めておければ良いけれども、企業としては支払うときに結構ダメージが大きいです。

ちなみに、失われた10年の時には企業がガンガン倒産したので貰えなかった人も多かったようです。(一企業の退職金制度だと会社が倒産したらお終い。)

中退共の1ヶ月の掛け金は5000円、6000円、7000円という感じで最大月30,000円まで設定でき、退職したらその掛け金が貰える仕組みです。

例)基本は5000円がほとんどで、3年以上は10000円、部長以上は20000円などという形で掛け金を支払う形が多い。

この掛け金は100%企業が負担する(従業員に負担はさせれない)もので、会社の福利厚生費で落とせるため経費算入できます。

退職金を貰うためには、従業員が退職をして、この中退共に「退職したのでお金払って!」と申請をしたら、中退共からお金を貰えますが、納付が1年未満(12ヶ月未満)の場合には、退職金は貰えません。また、1年以上2年未満だと納付した金額より下回ることになります。

3年7ヶ月以降が納付した金額より上回った金額を貰えます。

中退共の退職金は、従業員に代わって事業主が貰う事はできません。

また、中退共の退職金は、どんな形の退職であれ従業員はお金を貰えます。

例えば、まともに働かない従業員や不祥事を起こして懲戒免職した場合でも、その従業員は退職金を中退共から貰えるのです。(会社から中退共に「そんなやつには退職金払わないで!」と申し出ることができるのですが、申し出を受け入れるかどうかは中退共次第です。また、中退共が「じゃあ、支払いません」となった場合でも、そのお金は中退共(国)に入るため、企業は一度払ったお金は二度と戻る事はない=一度支払ったらそれは国のお金になってしまうので注意です。)

中退共の補助として、未加入の企業が入った場合には最初の4ヶ月から1年間は国が半分補助してくれます。初めて入る会社に対しての助成(例えば、5000円で10名入った場合には、月25000円、1年30万補助してくれる)があるのです。

一般的に中小企業で退職金制度を設置する場合には、退職金規約には「中退共に準ずる」と記載し、各従業員は、中退共のウェブサイトで自分の掛け金(5000円であれば5000円)で計算して見て行く形になります。

401kの概要と背景

大企業は4割やっていて、中小企業でも東京などでは加入が増えているのが401kです。

退職金(中退共)と一番違うのは、中退共は退職金(退職した時に貰える)であり、401kは確定拠出年金なので年金(60歳になった時に貰える)であるということです。

401kは現在国でも必死に加入を推し進めてますが、理由としては…

  • 厚生年金は世代間扶助なので、もう制度的にガタが来ているというのを国が知ってる。
  • 団塊世代の時はおじいさん、おばあさんの年金受給者(1人)を労働者(8人)で支えていた。
  • 今はおじいさん、おばあさんの年金受給者(1人)を労働者(4人)で支えている(つまり、昔に比べて今は保険料を倍支払っているので高い!)
  • 団塊ジュニアは今後2.5人を1人で支える形(現実的に無理なので、保険料がさらに高くなる&貰える額が減るという事で対応予定)

といったところです。

もはや今の世の中に合ってない、悪しき年金制度(以前はみんなで支え合っていたが、今は支え合えない!)ですし、国としても、年金制度は「もうダメ…」と内心分かっているようなので、より現実的な401kを推進している(国も「自分達の事は自分達でやってね」というスタンス)というのが本音です。

401kの利用について

  • 401kも国や金融機関が管理しているものになるので、会社の倒産有無で支給の有無は変わらない。
  • 401kは年金なので「退職時に貰える」というわけではない。
  • 401kは利用するかどうかは自由に決めれる(強制ではない)。
  • もし利用する場合には、制度導入時に10万円がかかる(初期費用)。
  • また口座開設時には1人あたり3000円掛かる。
  • また利用する時には月額費用1万円と1名あたり月400円の口座管理費が掛かる。
  • 401kを会社で導入する際には、社会保険に入っている会社じゃないとダメ(社会保険を払ってない会社は導入できない)。
  • 401kを会社で導入した場合でも、実際に401kをするかどうかは、役員、従業員が完全自由に決めれる(社長だけでもOK、役員だけでもOK、従業員だけでもOK)。
  • 401kが貰える年齢は60歳(10年以上加入していれば)なので、厚生年金、基礎年金の65歳よりも早い(401kは60歳から貰えるという所からも国が優遇している)。ちなみに、加入が1年未満だと厚生年金、基礎年金と同じように65歳にならないと貰えません。

401kは従業員が自分が自分のために支払う年金のため、会社が負担するものではありません(中退共は企業が100%負担ですが、401kは社員の給与の中で自分で配分を決めれるものです)。

例)20万の給与であれば、19万5000円を給与にして、5000円を401kにする事もできる
例)20万の給与であれば、20万を給与にして、0円を401kにする事もできる

そして401kをやるかどうかは従業員が各自で判断できる(年金よりもとりあえず日銭が欲しい!という場合には401kの掛け金0円という事ができるので、その分月給を増やす事などもできます)。

401kのメリットとは?

企業が払うわけではないので、401kは経費にはならないのですが、従業員(個人)として、掛け金は全て損金として非課税になリます。

→例)月5000円の掛け金であれば、年間6万を非課税で貯めれる事になる。

非課税枠が増えて、トータルの所得も下がるので、毎月の社会保険料や県民税や市民税、所得税が下がりますし、社員1人あたり毎月の社会保険料も下がれば、半分ずつ負担している企業としてもその人の社会保険料も下がるわけです。

また、401kの年金は、そのお金を貰うときにも非課税で貰えるのが大きいですね。

他にも60歳前に死んでしまった場合には厚生年金、基礎年金は0円→特に59歳で死んでしまったらものすごく損ですが、401kは、死んでしまった時に遺族や子供に非課税で行くので無駄がありません。

また、企業型(企業経由で支払うタイプ)は前からありますが、最近は個人型も始まったので、もし勤めている企業で401kがない場合には、個人で金融機関などで出来ます。

さらに、企業型401kは、「401kをやっている企業に勤めていたけれども、その後、その会社を辞めて転職する」となった場合には、転職先の企業で401kをやっていれば、その金額をそのまま引き継ぐ事が可能です。

その他、401kをやっていれば、求人票に「401kやってます」と記載ができるので、大企業などに勤めている人にとっても魅力的に映り、求人面でも有利に働くといえます。

例)もし転職をする時に「同じような待遇、業界、勤務地」で、「401kあり・なし」だったら、「とりあえず401kありの方に応募してみるか」となるため

401kをやっている企業や人など

やっている人や企業は高所得の人が多いです。

理由としては、年間6万の非課税枠があっても、トータルの年収が少ない人だと税金はそこまで下がらないのですが、401kの月額上限は5.5万円なので、非課税で年間60万貯めれるからです。

→60万の非課税だと市民税、県民税が年間6万安くなるので結構大きい

401kをする時の商品

401kをする時には月額の掛け金を選択できますが、さらに運用商品も選択できます。

具体的には3タイプありますが、「低利率で元本保証型」、「高い利率だけれども元本割れある商品」などがあり、実際日本人に人気なのはほとんど「元本保証型」です。

401kを貰う時(60歳時)に、運用益と一緒に貰えます。

会社としての提案例

従業員負担の401kなので、従業員も「自分の給与を減らしてまで401kやりたくはない」という人が実際はほとんどです。

そこで、企業が「5000円ベースアップします。その際に5000円を給与に乗せる事もできますし、401kもできますよ。どうしますか?」と提案すると、結構401kをやる人が多いのが実情です。

注意点

  • 掛け金は0円から5万5000円で選べる。
  • しかし、1回でも最低金額の3000円に設定したら、その後は変更ができない(退職しない限り変更できない)。
    →ただし、0円には出来ないけれども、55,000円から3000円などの減額はできる。
  • 一方、個人型は後から0円にも変更ができるため融通が利く。
    →ただし、個人型の月額は最大23,500円(個人型は銀行や信金などで入る)。

尚、401kについては、初期費用と月額費用(1万)が掛かるので、もしやるならば多くの人が入った方が良いでしょう(1人だけ入るのはちょっともったいない)。

退職金と401k

両者は制度的に大きく異なるものなので、実情として「中共退と401k」を併用してやってるという企業はまずないとの事です。(弊社社労士談)

どちらも退職後(老後)の安心を従業員に与えるという意味では同じような立ち位置と言えるので退職金か401kか選ばれると良いと思います。

アイデアとしては、「3年以上勤めている人に対して提案する」(3年未満の人に退職金を出す義理などはないため、3年経ったら選んでねというのが会社としても親切そう)という形をウチはとっています。

退職金と401kのどちらが良いかは業種や業界によっても異なります。

医者、看護師、歯医者さんの業務は大変みたいで、「歯医者には戻りたくない!」という方も少なくありません。

医療業界に限った事ではありませんが、入社、退社も多い業界では雇用主としても「どうせ長くは働いてくれないんだろう」と思っていて、スタッフ(雇用者)としても「何十年も続けて働きたくはないなぁ…」と思っていたりします。

そのため、そのような現場だと「退職金制度があるよ!」と言っても、スタッフとしてあまり魅力的に考えてくれません。

1年未満などで退職した際には退職金が支給されないため、スタッフとしても「たぶん2,3年で退職すると思うから…」ということで魅力が少ないわけです。

従って、そのような現場だと「退職金制度はいらない!掛け金分の月給上げて!」という意見が多く、退職金制度の導入が進まない事も実情としてあります。

何れにしても、長く働いてくれる従業員は会社の資産であり、大事にするべき人(また3年働いた人は4年、5年と長く働いてくれる可能性も高い)です。

業界や現場によって様々な事情はあると思いますが、従業員の日々の生活と将来を守るのは経営者の責任です。

事業経営をやっていると調子が良い時はいくらでも退職金を出してあげたいと思うものですが、長い経営の中では苦しくなる時も必ずあります。

それでも従業員の生活と将来は守るために、準備ができることはしっかりと準備をしておきたいものですね。結果的にその準備と努力が自身の事業経営も助けることに繋がると思います。

育休明けの働き方を考える

育休自体は社会的にも重要な事柄であり近年人々の興味関心も増しています。
 
育休に関してはこちらのページに記載していますが、今回は「育休明けの働き方」に関して考えてみたいと思います。

まずはどのくらい働くのかを決める

正確には、

  • どのくらい働きたいのか?
  • どのくらい働けるのか?

ですね。

育休明けでも子育てをしながら生活をすることに変わりにはないわけですから、収入面も考えないといけないでしょうが、時間・体力的な面も考えないといけません。

収入面(経済的なアプローチ)で見てみると、いわゆる130万円の壁(扶養から外れる)と103万円の壁(課税・配偶者手当の停止による世帯収入の減少)が挙げられます。

働き損にならないように、敢えてこの壁を下回る収入になるよう、労働抑制の動きを取る方が多いのでこの点に関しては改革も検討されています。

育休明けは時短勤務を

会社から指示する時給で好きな時間だけ働くパートタイム(時給計算)の場合、労働抑制と収入調整が容易になるかもしれませんが、パートタイム(時給計算)を取る会社は少ないのが現状です。

理由としては、時短勤務の方がメリットが大きいためです。

時短勤務とは、労使の合意の元で月に働く時間を決めるスタイルであり、良くあるのが以下のようなパターン。

  • 週20/40時間(月給の1/2で賞与も1/2にする)
  • 週30/40時間(月給の3/4で賞与も3/4にする)

ちなみに、週24/40時間とかでも構いません。(単純に割れば良いだけ)

メリット1. 育休明けの人の特典が使える

育休明けの人は、「3ヶ月は休職前の高い社会保険料を払わなければいけないけれども、4ヶ月目からは復職した後の給料で計算した保険料を納めれば、休職前の社会保険料を納めたことにする」という優遇処置(特例)があります。→養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置(日本年金機構のページに飛びます。)

これを利用する事で、育休明けの人は安い保険料を納めながら、高い保険料での社会保険を納めている事になり、手厚い社会保障が受けられることになります。(子供が3歳になるまでこの特典を支えることになります。)

社会保険の適用条件は、社員の3/4の労働時間(週30時間/40時間)ですが、この時間は「社会保険の加入要件」であって、「喪失要件」ではありません。そのため、時短勤務で週10/40時間、週20/40時間、週25/40時間でも社会保険は喪失しないのです。
ちなみに、週30時間未満の人は、結局収入が130万円以下になることが多いので、扶養になって社会保険から抜ける(払わなくなる)という事が多いです。

メリット2. 他のスタッフにも示しがつき、働きやすい職場と印象づけれる

  • 育休から復職した人が、時短勤務でなくパートタイムに戻った場合には、社会保険などの優遇措置もない
  • 一方、時短勤務であれば、社会保険で上記の特例(復職後の安い保険料で、休職前の高い社会保険料を納めた事にする)が使える

単純な良し悪しの問題ではありませんが、上記のような違いは頭に入れておきたいです。

その上での話ですが、事情は人それぞれであり、会社で他のスタッフも働いているのであれば、それぞれの要望に合わせた選択肢を用意してあったほうが働く側としては嬉しいし安心でしょう。

それが離職率の低下や社員のモチベーションアップに繋がるのなら、会社としては導入しない手はありません。



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